浦和フットボール通信

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平川忠亮が8年ぶりの左サイドで名乗りをあげる【河合貴子のレッズ魂ここにあり!】

J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

ACL出場権獲得を目指し、残り5試合に大きな力になる

「久しぶりの左!楽しかったですよ!」と、充実感あふれる笑顔で平川忠亮選手は言った。

10月13日に行われた流通経済大学FCとの練習試合で、66分間のプレーを終えた平川選手は、すべての力を出し切り達成感に包まれているように思えた。

たとえ大学生を相手にした練習試合であっても、決して手を抜かずオリヴェイラ監督の下で日頃の練習で求められているプレーをしっかりと示し、公式戦でも戦える安定したパフォーマンスを出せた手応えは十分にあったからだ。

ペトロヴィッチ監督時代には、ずっと右のワイドのポジションを任されてきた。オリヴェイラ監督になっても右のワイドのポジションで練習を積んできた。だが、残り5試合を前にしてオリヴェイラ監督は、この練習試合で左のワイドを平川選手に任せたのだ。

もちろん、そこにはチーム事情があった。レギュラーに定着している宇賀神友弥選手は仙台戦後から別メニューでコンディション調整を行っており、U-19日本代表で荻原拓也選手、キュラソー代表でマルティノス選手が不在。さらに、菊池大介選手が左ハムストリングの肉離れで戦線離脱している。

森脇良太選手が、怪我から復帰して右のワイドをアピールしている中、右でも左も適応能力が高く戦術理解度もある平川選手に白羽の矢を立てた。

平川選手は「久々だけど、以前にずっとやっていたポジションだしね」と笑った。そして「右か左かだったら、そんなに違和感なくできるかな・・・。ちょっと後ろだったり、他のポジションになると難しいけどね。左右できるのが、強みでもある。最近、左はなかったなあ。ミシャ(ペトロヴィッチ元監督)の時も、ほとんどなかった。7、8年ぶりぐらいだった」と歯にかむように笑った。

8年ぶりの左ワイドでも全くブランクを感じさせず、柴戸海選手の先制点になったシーンも平川選手のスローインからであった。まるで練習を再現しているかのシーンであった。更に3点目のシーンでも、「モリ!」と逆サイドの森脇選手に指示を出し、タイミングよくDFの裏へと抜け出してサイドチェンジのパスを受けて、クロスを入れたのだ。

それだけではない。前からプレスを掛けるときは思い切りよく行き、ブロックを退くときは攻守の切り替え早くしっかりとフタをするようにポジションを取る。同サイドのストッパーに入った茂木力也選手やトリプルボランチにも声を掛けて、連携を深めピッチで同じイマジネーションでプレーできるように高い意識でいた。

「1つは、ディフェンスの部分のオーガナイズだ。後ろの力也(茂木選手)とのコミュニケーションで相手にやられないこと。攻撃の部分では、良いところが出せるかを意識していた。左が久しぶりだし、トレーニングマッチも久しぶりだったから、自分が楽にプレーできるように話しながらできて良かった。

力也は、(オーバーラップ)上がってくることが出来る選手だ。外が空いていれば、自分が中に入って、力也が上がっていくこともできた。拓也(岩波選手)やモリ(森脇選手)からサイドチェンジの良いボールが来るので、タイミング良く入っていくことを意識した。前半、特にうまくいった」と話し、3点目のゴールシーンを「和輝(長澤選手)に合わせるまでは、イメージどおりだった。和輝からキッチリとアンドリューが詰めてくれていた。あのタイミングでクロスを入れられれば、味方がミスしても詰める選手がいたり、相手のDFもクリアーしづらい。タイミング良くクロスをドンドンと入れていきたい」と確かな感覚を抱いていた。

そして「怪我なく、約65分できた。久しぶりの左でも、良い感触で出来た。残りの試合に繋げていきたい」と試合出場を虎視眈々と狙っていた。

浦和が来シーズンのACL出場権を獲得するために、絶対に負けられない試合がある。一度ピッチに立てば、年齢は関係ない!

残り5試合に向けて大きな力になる存在であることをこの日、平川選手はしっかりと見せてくれた。チーム最年長の平川選手の躍動する雄姿が、本当に眩しく輝いていた。

Q. 接触でGKが脳しんとうの疑いで審判が試合を止めて確認することがあります。脳しんとうについて教えて下さい。

A. 脳しんとうで一番恐いのは、接触により頭の中で脳挫傷や脳出血を起こしている場合があることです。まずは、意識レベルの確認をする必要があります。しゃべり方や話していることに反応できるのか、目の動きで脳の神経の異常を確かめたり、瞳孔の状態を見ます。意識レベルが分かれていて、意識損失がないことを確認します。一過性の意識損失で反応が鈍いこともあります。幾つかの基準があります。動かさずに意識の状態を調べます。質問にも答えられる状態ならば、ピッチの外に運んで様子を確認します。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。

川久保整形外科
http://www.kawakubo-clinic.jp/

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