浦和フットボール通信

MENU

槙野智章が「違った姿をみせる」と新システムへの手応えを語る【河合貴子のレッズ魂ここにあり!】

J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

新システムで挑むFC東京戦

今シーズン好調なスタートを切り第4節を終えて3勝1分けで首位に立つFC東京を、埼玉スタジアムで無失点に抑えて返り討ちしたい。

FC東京戦を前に「違った闘い方と顔ぶれになるんじゃないかな。中断前よりも見ている人たちにとって、やっている僕たちが違った姿をみせないといけない」と身を引き締めたのは、槙野智章選手であった。

いつもの代表ウィークなら、槙野選手はチームを離れて日本代表へと招集されて不在だ。だが今回は違った。槙野選手にとって日本代表に招集されなかったことは残念だが、新システムに取り組み、チームをバージョンアップさせるには良い機会に恵まれたといっても良いだろう。

この中断期間に、浦和は4-4-2へとシステム変更にチャレンジしたのだ。

槙野選手は「監督はミーティングでも練習のピッチ場でも『数字にはこだわりたくない』と言っている。僕らも並びのところの人数が、フォーメーションで4-4-2など3バックなどと言われるが、やっている中での感覚としてあまり変わりはないと思う。変に数字にこだわらないように、選手の横並びに違和感なくやらないといけない。やり方のところで変化がある中で、選手が戸惑っていてはいけない。流動的に動くことが狙いだと思っている。各ポジションにも要求されている。守備のポジションでもバランスの変化が、今回のシステムの変化でもある。試合で変化をする姿をみせないと」と話したのだ。

変化の1つとして攻撃時に中盤がダイヤモンド型になることだ。アンカーの青木拓矢選手が、センターバック2枚が開いた真ん中に下がり3バックになったり、センターバック2枚とトライアングルを作ったりとかなり流動的になる。

「青木が入ったことで、エヴェルトン選手が本来のポジションに戻れたことがチームとしてのプラスだと思う。後ろの選手の安定さも増す。僕が最後尾に入るので、青木を良い形でうまくバランスが取れるように舵取りができれば良い」とサポート役に徹する。

左のストッパーを任されていた時は折りを見て攻撃参加するシーンもあったが、システム変更によりドッシリと後ろで構える。オリヴェイラ監督体制になっての初めての試みである。しかも相手は、好調なFC東京だ。DFの裏を狙い献身的な動きをする永井謙佑選手や身体能力の強さを生かし攻撃の起点になったり、常にシュートチャンスを窺っているディエゴ・オリヴェイラ選手がいる。

東京で警戒するのはスピードある2トップと久保建英

槙野選手は「ディエゴ選手と永井選手のスピードは、警戒しないといけない。前節のゲームを見てもそうだ。これまでの対戦の中でも、彼らのスピードは90分通し、アディショナルタイムまで後ろの選手は注意しないといけない。彼らをゴールから遠ざけるラインの押し上げと、ボールの動かしをしないといけない。自分たちがボールを持っているときこそ、彼らを警戒しないといけない」とFC東京の2トップをかなり意識していた。

さらにFC東京で注目される若手の久保建英選手に対しては「いろんな選手に聞いても、プレーを見ても、試合に出るべくして出ている。成長していることも聞いている。一緒にやってみたい相手だ。ドリブルを仕掛けながらパスも出せるボールの持ち方は、DFにとってはやりづらい相手だ。若い時は、1つうまくいったプレーで自信が増す性格と時期だ。若い選手にとって埼玉スタジアムでプレーすることは憧れだと思う。楽しみですね」と言いながらも「J1でまだゴールを決めていない。彼が、ゴールを決めるのは明日ではない。彼の成長は応援しているが、明日は輝く日ではない!」と断言した。

好調なFC東京を相手に、新システムでどこまで通じることができるのか試すには絶好のタイミングである。うまくいかない場合は、元に戻せばよいだけだ。試合の流れによって、今の浦和には立ち返る場所があるのは強みの1つだとも思える。

槙野選手は「良い相手と良いタイミングで、試合ができるのはうれしい。去年もスタートは、東京は良かった。僕たちは、苦しみながらも一応リーグ戦は連勝している。上にいるチームで、注目されている選手がいる中での対戦だ。それに何年も負けていないというところは、自分たちの自信になると思う。個人的にもすごく相性が良く、僕は東京を相手に点を獲っているしね。面白い試合になる」と含み笑いした。

新システムで首位に立つFC東京に土を付けることができれば、第5節で勝ち点がFC東京に並ぶことになるし、浦和にとっても大きな自信になる。今までとは違った姿をピッチでしっかりと見せてくれるだろう。

Q. 杉本健勇選手と長澤和輝選手が「肩を脱臼したら次は手術をしないといけない」と言っていました。肩の脱臼は、繰り返してしまうのでしょうか?

A. お年寄りが転んで肩を脱臼しても再発はあまりしません。しかし、若い頃に肩を脱臼してちゃんと治療をしていないと、脱臼しやすくなります。「反復性脱臼」といいます。肩の脱臼の多くは、前方に脱臼してしまいます。脱臼をすると、関節の頭の部分を受ける吸盤のような軟骨の土手である関節唇が切れてしまいます。初めて脱臼をしたときにしっかりと治療をしないで、切れた関節唇が剥がれたままになってしまったり、また骨ごと剥がれてしまったりしていると、脱臼しやすくなってしまいます。何回も脱臼を繰り返すうちに、関節の頭側も潰れて小さくなってしまいます。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。

川久保整形外科
http://www.kawakubo-clinic.jp/

パートナーサイト

ページ先頭へ