浦和フットボール通信

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サッカーから学べ!新型コロナウイルス対策【河合貴子のレッズ魂ここにあり!】

J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

感染拡大を防ぐために

中国武漢からまたたく間に世界に広がった新型コロナウイルス(COVID-19)。日本でもクルーズ船に乗船した方々を含み、感染者が1000人(3月4日10時現在)となってしまった。毎日、毎日、感染した方のニュースが流れる。いったいどこまで感染拡大していくのだろうか・・・。マスクや消毒スプレーが街中から消え、さらにトイレットペーパーや紙おむつ、ティシュペーパーまでもがスーパーの棚から消えた。学校は臨時休校となり、卒業式や入学式を取りやめる事態だ。新型コロナウイルスの影響で、倒産の危機にさらされる企業もある。何げない日常生活が、新型コロナウイルスの影響で奪われていく。

「この1、2週間が瀬戸際だ」などと言われているが、本当にそうなのだろうか、もっとウイルスが拡大しているのではないかと疑問を抱いてしまう。過剰な恐怖心をもつのもどうかと思うが、見えないウイルスだけに感染を予防するためには的確な行動が大切だ。高齢者がいる我が家では、手洗い・うがいは徹底し、玄関には消毒スプレーを置いてある。両親には不要な外出は避け、スーパーへのお買い物や健康管理の日課となっているお散歩に行くときもマスクを着用させ検温もしている。

浦和レッズでは、一般の練習見学をお断りしている。報道陣にマスク着用を呼びかけ、記者室には消毒スプレー、紙コップとうがい薬がセットで置かれている。さらに選手たちとの動線もプラスチックの柵で隔離されており、取材対応もビデオ通信アプリを活用して行なわれ、感染予防を徹底している。

このウイルスの厄介なことは、症状がなかったり、軽度の症状で発症していることに気が付かずにいることである。浦和を愛する人々に支えられているからこそ、1日も早く誰もが心置きなくサッカーを楽しめる日がくるために、浦和レッズが感染予防を徹底していることは理解できる。

試合が延期される中で、浦和レッズは選手たちの元気な様子を浦和を愛する人々に見てもらおうとInstagramのライブ配信をしたり、感染予防の徹底もそうだが、自分たちができる範囲のことを一丸となって努力していると思う。

感染が世界中に広がっているニュースを聞いて、岡田武史氏が日本代表監督時代に、選手たちに話した昔話を思い出した。それは、むかし、むかし、ある村でおきたことであった。五穀豊穣に感謝して御神酒をあげるために、村人たちは話し合い各自が家から1杯だけ日本酒を持ち寄る取り決めをした。ところが、ふたを開けてみると何と御神酒は水だった。「1杯だけなら、日本酒のかわりに水でも良いだろう」「わしだけなら、水を持参したって問題はないはずだ」と甘い考えをした村人たちがいたのだ。

当時、岡田監督はこの昔話を教訓として、「自分が少し手を抜いても大丈夫だろう」「このぐらいは良いだろう」という甘い考えをした選手が一人でもいたらチームは崩壊する。どんなに苦しくてもつらくても、最後の笛が鳴るまで全力で闘うことを示唆した。

サッカーにおいてだけではないかもしれないが、「このぐらいのプレーで良いだろう」と妥協をしたり「無理だ」と諦めてしまったら、それは敗戦の要因にもなる。浦和レッズの取り組みを、過剰だと思う人もいるだろう。だが、1日も早い試合再開を願うものとしては当然のことだ。無観客試合など、二度と経験したくない。サッカーは、ファン・サポーターとともに試合に挑んでいる。スタジアムに訪れた人々と共に闘うことが、本当に選手たちにとって大切なことなのだ。日常生活が、新型コロナウイルスの影響で壊れていくのは本当に嫌だ。浦和レッズは、万全を尽くしているといえるだろう。

だが、浦和レッズだけが、感染拡大の予防をしていても意味をなさい。浦和だけが良くても、日本だけが感染拡大を阻止してもダメだ。世界中の人々が正常な日常を取り戻すために、一人一人が新型コロナウイルスに対して意識を高く感染予防に努めなければならないと切に思う。

見えない新型コロナウイルスとの闘いは、一人一人が高い意識の下で自分ができることを行い、最後の笛が鳴るまで全力で一丸となって立ち向かうことだとサッカーが教えてくれているように感じる。新型コロナウイルスが、これ以上に広がらないことを願うばかりである。

Q. 選手たちのスパイクのインソールも特別に作られたものを見かけることがあります。

A. 例えば足底腱膜炎の場合は、踵に負担がかからないように土踏まずを支えるようなアーチサポートを入れます。ただ、アーチを入れすぎても他の場所が痛くなってしまうので、足に合ったものを使いましょう。履くシューズ選びも大切なことです。シューズとの適合性もあります。

 

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。

川久保整形外科
http://www.kawakubo-clinic.j

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