浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「泣いても、笑っても残り3試合なら笑って行こう 」(11/7)

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

甲府、大宮、新潟、川崎の勝敗を気にして、各チームの対戦カードを見ながら勝ち点を予想し、浦和の順位を計算する。ここ何日かそんな日々が続いた。12月3日の最終節、大宮対甲府で大宮が勝利して、浦和対柏で柏の優勝を阻止してJ1残留を決める。いや・・・最終節前の仙台と福岡戦できっちり勝って、甲府が磐田と新潟に連敗すれば、新潟がガンバ大阪と甲府に連敗したら、大宮が鹿島と広島に連敗したら、川崎が広島と横浜に連敗したら・・・。引き分けの場合は?各チームの戦力分析をしながら得失点は?等と、頭がパンクしそうなぐらい、眉間に皺を寄せて何度もシュミレーションを繰り返している自分が馬鹿らしくなって来てしまった。

精神的にも自分自身を追い込んでいるから、この状況が辛く、眉間に皺が寄るのだ。そんな時に、98年フランスW杯でブラジル代表を率いたザガロ監督と偶然にパリの街中で出会い、話した事を思い出して、気持ちが楽になった。それは、ザガロ監督と日本代表の試合結果予想をお互いの意見を言いながら討論していた時に、ザガロ監督は「貴女の分析は面白いなぁ」と頷かれたので、思わず「試合をしてみないと分かりませんよ」と苦笑いした私に、「サッカーは何が起こるか分からない。だからサッカーは面白い」と満面な笑みで幸せそうに言ってくれたのだ。

ザガロ監督の言葉を心に置いて、残り試合の勝ち点計算を予想する事も、一つの楽しみだと思えば気分も違って来る。また、残り3試合を闘って見なければ、サッカーの神様以外は勝敗なんて分からない。気持ちの持ち方ひとつで、全ては変わる。

今シーズンのワーストゲームと思える試合は幾つかある。その一つが、先日行われた磐田戦だ。守る事も、攻める事も出来ずに終わり虚しさが埼玉スタジアムを包みこんだ。闘っている選手はもちろん、浦和を愛する人達にとって楽しい試合では無く、辛い試合だった。それでも観客席から「頑張ろうぜ!!やるしかないよ」と言う声援が飛んだ。確かにここまで来たら「頑張る」し「やるしかない」。だが「絶対に勝たなきゃいけない」と力んでしまうと、私が眉間に皺を寄せて残り試合のシュミレーションをしていた状態と同じで、精神的に追い込まれてしまい、「勝たなきゃいけない」と言うプレシャーに潰されてしまう。昨年、J2に降格したFC東京はファン・サポーターも選手もガチガチになってしまい、本来の力をラストゲームで発揮する事が出来なかった。浦和はFC東京とは違うと言い切れるだろうか?残り3試合、誰もが不安になる。

ならば、目に見えないプレシャーに潰されないために、ザガロ監督の言葉を借り「残り3試合、何が起こるか分からない。だからサッカーは面白い」そう思うと肩の力が抜け、プレシャーから解放される。選手には選手の役割があり、サポーターにはサポーターの役割がある。肩の力を抜いてそれぞれの立場で、ボールがタッチラインを割るまで、笛が鳴るまで、自分がやるべき事する。それは、義務ではなく、サッカー本来の楽しさの中から自然に生まれる物だと思う。

泣いても、笑っても、残り3試合なら、笑って試合に挑もう。どんな状況でも、楽しんで行こう。サッカーは面白い。みんなが楽しめば、勝利の女神は必ず浦和に微笑んでくれる筈だ。

 Photo by (C)Kazuyoshi Shimizu

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