浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「日本に馴染んだ最強のブラジル人 ポポ選手」(1/31)

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

昨シーズンの成績を振り返っても、今更何になるのか・・・と思ってしまうが、浦和は8勝14敗12分けだった。ゴールが遠く泣いた試合があった事は、心に刻まれて残っている。ゴールはFWだけが決めるものではないが、昨シーズン浦和に在籍したFW登録選手は、7人。その内、サンパウロFCからレンタル移籍して来たマゾーラ選手は、期限満了につき帰国。高崎寛之選手は新天地を求めて自ら甲府に移籍。原一樹選手は京都へレンタル移籍となった。FW登録で残った選手は、田中達也選手、原口元気選手、セルヒオ・エスクデロ選手、ランコ・デスポトビッチ選手となった。あと1人、ゴールを狙えて決定的な仕事が出来るストライカーが欲しい。補強のポイントの一つはFWだと勝手に思っていた。しかし、浦和は思いとは裏腹に、FWの補強をしなかった。正直、ベテランのポポ選手は必要ないとまで思っていた。(ポポ選手及び強化担当のみなさん、本当にごめんなさい)

新入団会見で、1FCケルンからレンタル移籍して来た、槙野智章選手に注目が集まる中、ポポ選手の「日本で学んだ経験は、仲間を意識する事。日本の環境に合わせて良いチーム作りを心掛けていきたい」と言う発言に心が動いた。仲間を意識する事は、ミーシャ監督が目指すサッカーでは大切な要素の一つでもある。また、過去に何人もの外国選手を見て来たが、日本に馴染まずホームシックにかかってしまった選手もいたが、ポポ選手は2008年に来日して、柏と神戸で活躍していたので、今更ホームシックにかかる事は無い。山道強化部長は「4シーズン日本で150試合出場して24点。アシストも多い。安定感が魅力」と話す。

練習初日のランニングでも、ペースの速い集団の中にポポ選手はいた。練習後にポポ選手に「今日のランニングを見ると、自主トレをしっかりとやって来ているのが分かります」と話しかけると、ポポ選手は「今年、34歳になるし、自分の体を意識している。筋力が落ちないために、筋トレはしていますね」と嬉しそうに笑った。さすが、ベテランのポポ選手である。だからこそ、安定感があるプレーが出来るのだと納得してしまった。

また、マルシオ選手とやけに親しく話をしていたので尋ねると「小さい時からずっと一緒にサッカーをして来て、お互いプロになって初めて一緒に出来るのが、凄く嬉しいんです」と零れんばかりの笑みを浮かべた。ポポ選手もマルシオ選手も、ブラジルのサンパウロ州の北西部に位置するアンドラジーナ出身。ポポ選手の方が3歳年上になるが、学校のチームでもストリートサッカーでも一緒にプレーをしていたそうだ。当時、ポポ選手が13歳頃の話である。「マルシオはテクニシャンでゲームのコントロールも出来るし、キックの精度も良い。当時から、マルシオはテクニックがあったから、マルシオからのパスで僕がゴールを決めていたんだよ」とポポ選手は子供の頃を懐かしむように話してくれた。日本のことわざに「雀百まで踊り忘れず」とある。プレーを見るまでも無く、マルシオ選手とポポ選手のホットラインは、既に出来上がっていると感じた。

新加入外国人選手の場合、全く文化も違う環境のために、日本の生活にもJリーグのサッカーにも馴染むのにもどうしても時間がかかる。槙野智章選手でさえ「僕には開幕まで時間がない。浦和の選手の良さを知っていかないといけない」と言うぐらい、新加入選手はチームメイトのプレースタイルを理解するのも大変である。外国人選手となると言葉の壁もあり、コミュニケーションで苦労する。日本での生活が5年目を迎えるポポ選手は、多少の日本語も理解出来るし、日本の生活にもJリーグのサッカーにも馴染んでいる。そして、幼い頃に培ったマルシオ選手との確立されたコンビネーションがある。

ポポ選手は「仲間をリスペクトしながら、自分の居場所を絶対に作る。自分の居場所を作ったら、自分のポテンシャルを魅せたい。その努力をこのチームで見せる」と力強い眼差しで話した。浦和に、日本に馴染んだ最強のブラジル人選手がやって来た。

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