【This Week】週刊フットボールトークVol.75(2/18)
椛沢佑一(浦和フットボール通信編集長)× 豊田充穂 (コピーライター)
椛沢:鹿児島・指宿での浦和レッズの2次キャンプでは、ハードなトレーニングを行なっているようですね。特にキャンプ中に中1日で5試合のトレーニングマッチをこなしており、実戦の場を重ねることで、様々な状況への対応力を身につけているといったところでしょうか。このトレーニングマッチの陣容で大体、開幕のスタメンに名を連ねるメンバーが固まってきているような感じがしますね。
豊田:都内マスコミの方々からもレッズのキャンプ情報をもらっているのですが、練習内容の密度が格段に高くなったことが一様に指摘されています。ペトロビッチ監督の現地コメントを聞いても、スタッフも含めた「意識改革」の意図が強く漂っていると感じます。もっとも先日の監督インタビューで聞いた彼の戦術や戦い方に照らし合わせてみれば、それがなければ実行できないサッカーのはず。それにともなって、柏木陽介らの現地インタビューを観ていても良い表情をしていると思う。去年とは違う充実感を感じているのではないでしょうか。この雰囲気が上手く開幕のピークに繋がって行って欲しいです。
椛沢:先日、テレ玉のレッズ応援番組REDS TV GGRのMCを務める水内猛さんにキャンプなどで見たレッズの印象を伺いましたが、1次キャンプの時点でもミシャ監督の色が出ているサッカーをしているようでした。とにかく相手を引き付けるためにリスクを犯してでもボールを繋ぐけれども、そこで引き出した時に縦にボールを入れた時に、2,3人がボールに絡んでいき、攻撃のスイッチが入るのが分かりやすいので、みんなも楽しめるサッカーになるのではないかという期待を語ってくれていました。
豊田:古い例えになってしまうけど、継続性にも緊張感にも欠けていたブラジル人指揮官からオフト就任で激変したトレーニングの変貌を思い起こしてしまう(笑)。バックラインからの連携と球出しに細かい約束事が課されて、徐々に前線までのイレブンのプレーと意識の統一が植えつけられて行く。そういうプロセスなのだと思います。あの時と同じように、改めてのレッズ再整備が進むことを期待したい。
椛沢:クラブ側の動きとしては、2月23日(木)に今年始めての「Talk on Together」が開催されます。橋本代表、山道強化本部長、ミシャ監督が登壇し、今シーズンに向けた取り組みについてクラブからの発信があり、ファン・サポーターからの質疑に答えるという内容になっています。
豊田:多くのサポーターに、この催しの内容を把握して欲しいと思います。クラブとホームタウンサイドが膝を交える数少ないチャンスですから。浦和フットボール通信webに掲載された川上信夫さんと大住良之さんの提言について、周辺のレッズ支持者たちから「ああいう提言をしっかりとサポーターが把握する時間も機会も少なすぎる」との感想をもらいました。「Talk on Together」は、そういうテーマをぶつけあう格好の舞台です。
椛沢:一方、ミシャ監督には先日にインタビューをさせて頂き、彼がレッズで目指す道、そしてサッカーの街・浦和のクラブを指揮する上でのお話など、様々なお話をお聞きしてきました。この模様は次週、お送りをさせて頂きます。彼の口から「ウラワ、シズオカ、ヒロシマ」という言葉が出たのも驚きましたね。
豊田:リーグ成績こそ頂点を極めるものではありませんでしたが、経営状態も補強も厳しい環境の中であのような地元基盤と手を組んだ育成を完成させた指揮官ですからね。ホーム浦和のポテンシャルを掴んだ上で、「広島どころではない。URAWAにはもっと大きなチャンスがある」という彼の志向性を感じるインタビューでした。彼が存分に活躍できる情況がクラブ内にしっかり確保されることを望みます。