浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「新天地を求めて旅立ちの時~高橋峻希選手・エスクデロ選手・ス ピラノビッチ選手 」(7/23)

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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新天地を求めた峻希、セル、スピラ

アスファルトも溶けてしまうような猛暑の中、練習場を訪れると、滴る汗まみれの選手達が必死にボールを追いかけていた。いつもと変わらない風景であるが、高橋峻希選手もエスクデロ選手もスピラノビッチ選手の姿が無く、淋しさを感じた。試合に出場するために新天地へと移籍していくのは、ある意味プロである以上は当然の事であるが、浦和でもっと成長して欲しかった。

高橋選手はジェフユナイテッド市原・千葉へ、エスクデロ選手はFCソウルへ、今シーズン終了までの期限付き移籍となった。原口元気選手は「淋しいですよね。でも、試合に出るためには(浦和を)出た方が良い。峻希は何処に行ってもやれる。活躍して、もう一度間違いなく帰って来る。また一緒にやりたい」と話した。期限付き移籍の経験がある野田紘史選手は「試合に出られない悔しい気持ちは選手だったら当然持っている。練習試合でなく、公式戦に出たい気持ちも分かる。スタメンでも、サブでも、レンタルでも、何処に居ても変わらないと思う。ベースはプレーで見せないと評価されないと言う事ですよ。新しい場所でのアピールは大事。悩んだと思うけど、行くと決めたんだから頑張って欲しい。峻希とは、たまにご飯に行って、お互い刺激し合うし、セルとはツイッターで絡んで行きます」とエールを送った。高橋選手もエスクデロ選手も、おそらく『浦和に戻って来れる』などと甘い気持ちはない。結果が全てのプロ世界である。ジェフでもFCソウルでも試合に出て活躍して、選手として成長しなければ、決して浦和に帰って来る事が出来ない事を承知の上で、期限付き移籍の道を選んだのだ。高橋選手は、現在J2の混戦の中(7月20日時点)得失点差で首位をキープしているジェフをJ1に復帰させると言う大きな目標がある。エスクデロ選手は、水戸の柱谷監督のラブコールを断ってまで、言葉も通じない厳しい環境に身を置いた。2人が選んだ新天地を考えてみると、この期限付き移籍が、大きな成長の糧となる事は間違いないと思えた。

スピラノビッチ選手の場合はカタールリーグのアル・アラビに完全移籍である。18歳でドイツに渡り、FCニュルンベルグでは『闘犬』とまで称されたスピラノビッチ選手であったが、怪我に泣かされてしまった。そして、実戦経験を積むために、2010年にFCニュルンベルグから浦和へ期限付き移籍だったが、翌年には完全移籍となり、今年で3年目のシーズンを迎えていた。浦和に来た当初、オーストラリア代表オジェック監督は「背番号4番をつけているが、闘莉王のような選手ではない。助っ人外国人選手と思わないで欲しい。非常に将来性豊かな才能溢れる選手だが、まだまだ多くの事を学ばないといけない選手だよ。彼の未来が楽しみだ」と教えてくれた。浦和でのスピラノビッチ選手は『闘犬』とまではいかなかったが、高さを武器に持ち、後ろからのビルドアップで安定したプレーをしていた。しかし、ミーシャ監督になってシーズン初めの戦術理解度を高める合宿には、オーストラリア代表の招集の為に参加出来ず、チーム戦術に出遅れてしまい、監督が求める3バックに馴染めずにいた。そして戦術理解に苦しむスピラノビッチ選手は、なかなか試合の出場する機会が無かった(今シーズンはナビスコ杯2試合)。オーストラリア代表として将来を期待されているスピラノビッチ選手だからこそ、即戦力として活躍出来る場を求めての完全移籍となったのだと思う。

それぞれ立場は違うが、3選手にとって、次のステップアップの為に浦和を離れる良いタイミングだったのかも知れない。どんな形にしても淋しいものはあるが、その選手の未来を考えると、正しい選択だったと思いたい。野田選手が言った「何処に行っても変わらない。ベースはプレーで見せないと・・・」の言葉が全てだと思う。浦和を離れるのだからこそ、新天地での活躍を願う。スピラノビッチ選手は、オーストラリア代表として日本代表の前に立ちはだかるだろう。そして、高橋選手とエスクデロ選手は、成長した証として再び赤いユニホームを身に纏う。

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