浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「求められるものはクリエイティブな判断力」(8/17)

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

神戸戦で、数的有利になった時の狙い。

選手達は常にピッチの中で、瞬時に判断してプレーをしている。パスひとつとっても、出し手と受け手とのイマジネーションの共有も大切である。良いパスとは、方向、強さ、タイミングの3つを判断して、その全てが噛みあった時に初めて生まれるものである。シュートにしても、相手がブロックを形成している所でゴールを狙っても決まる確率は低い。また、角度の無い所からゴールを狙うのも至難の業である。試合を観ていると「何でシュートを打たないのだろう?」とか、逆に「何でシュートを打ってしまったのだろう?」と思うシーンに度々出くわす事がある。全ては、選手の判断である。

例えば、浦和が3-0でリードしていて、残り時間が僅かな状態で相手が前がかりに来ていてカウンターを狙えるチャンスの場合は、どうだろうか?カウンターを狙わずに、ゆっくりとボールを保持しながら時間を使うのも選択肢のひとつでもある。得失点差を考えて、獲れる時に点は獲る事も考えられる。ピッチに立っている11人が同じイマジネーションを描いていないと、歯車はズレを生じてしまう。この歯車のズレは、不用意な失点に繋がる恐れがある。ホームゲームの場合、アウェイの場合、ゲームの流れは・・・気象状況は・・・など、あらゆる事を考えて判断して、共通の意識を持つ。

後方から積極的に攻撃参加をする槙野智章選手は、常に自分が上がった時に出来る裏のスペースのリスクに付いて意識をしている。「自分が上がった時は、どんな形でも良いから極力シュートで終わるのが理想ですよね。ゴールが決まるのが一番良いが、決まらなくてもゴールキックになって、再びセットする事(各自がポジションに戻る)が大切!!」と話す。もちろん槙野選手が上がったスペースを、ボランチの阿部勇樹選手がリスクマネージメントしてポジションを取り、スペースを埋めたりしている。これも、選手の判断力である。

Jリーグ第21節神戸戦では、ボールポゼションしているが、なかなか崩しきれずゴールが遠く0-1で敗戦した。退場者が出て数的優位な状況で、残り時間が僅かになった時に、チームとして何とかゴールを決めるために槙野選手は左サイドハーフにポジションを取り、本来そのポジションの梅崎司選手が槙野選手のやや右後方にポジションを取った。守りを固めている神戸に対して、パワープレーに出るのならば、何故左のサイドに張っていたのか?疑問に思った。狙いは何か?槙野選手は「自分が左に張って、ボールを受けて、溜めを作り、右後方から斜めに梅(梅崎)が上がり、パスを梅に出して、自分も中に入り込み、梅のクロスに自分かもしくは誰かに合わせる事も出来るし、コンビネーションで相手を崩す事が出来る狙いだった。相手DFを釣れたらスペースも開ける事も出来きる」と教えてくれた。「しかし、その狙いのプレーまで行かなかった」と悔しそうに話した。もちろん、監督の指示でもあるが、ピッチで瞬時に判断してプレーをするのは選手であるから、狙い通り行かなかった事に関して、槙野選手は唇を噛みしめた。

判断力とは、本当に難しいものである。相手DFにブロックを作られている状況で、周りから観れば「無理だろう!?」と思っていても、シュートコースが見えていれば選手はゴールを狙う。そしてシュートが決まれば、その判断は正しかったと評価されるのだ。どんな状況であっても、求められるものはクリエイティブな判断力である。クリエイティブな判断力を持ち合わせていれば、必ず勝利は手に入る。

選手それぞれのプレーには、必ず意図するものがそこには存在する。愛するクラブの選手達を信じて、勝利を目指し共に闘う。

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