浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「アシストの喜びを感じて~野田紘史選手」(11/16)

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

選手として成長を遂げている姿が見える野田紘史

試合の途中出場する選手が、試合の流れに入って行くのは想像以上に本当に難しい。勝っている時、負けている時、引き分けている時、その状況に応じて求められる役割も変わってくる。また、ボールに対するファーストタッチの感触で流れにスムーズに入れる場合もあるし、フリーランニングで流れに乗る場合もある。リーグ中盤から少しづつではあるが、途中出場が多くなって来ている野田紘史選手は、状況下においてまさに臨機応変に対応している。「勝っている場合は、残り10分ぐらいを前提で、味方も疲れているから相手にスペースを与えないプレスをかける。相手は、パワープレーでクロスを上げてくるから、プレスをかけて、相手の前の選択肢を失くさせる。勝たないといけない時は、点を獲るためにリスクを冒してでも行く。ボールを失ったら、一番に戻る。運動量と攻守の切り替えの速さだ。自分で外から仕掛けてクロスで終わる」とイマジネーションを野田選手は話す、その表情からは自分のプレーに手応えがあるように感じられた。そこには、ナビスコ杯磐田戦で「自分のミスで試合を台無しにしてしまった」とピッチで男泣きに泣いた野田選手の影はもう無かった。

あれから半年以上経っているが、悔しさをバネに野田選手は確実に選手として成長を遂げている。練習を見ていても、動きのバリエーションが多く、判断力もついてきた事が手に取るように分かる。野田選手は「今まではボールをもらったら、まずはパスコースを探していた。今は、相手を抜いて運びながらパスが出来るし、パスを出す振りをして運ぶ。相手が喰いついて来たら、運ぶ振りをしてパスを出す。こういう事が出来るようになった。もっとやりたいって自信に変わって来た」と楽しそうに笑った。野田選手は、ミシャ監督から「ボールを運べ」と言われた時に、「取られたら嫌だなぁ」と躊躇したそうだが、「ミスがあっても良いから行こう!」とミシャ監督が背中を押してくれた。

「監督からチャレンジを意識させてもらった。求めていることが、楽しいんです。頭も体も使う。正直、しんどい時もあるが、出来た時は気持ちが良い」と話した。そして、野田選手の特長の一つはスピードだ。スピードに乗ってクロスを上げるのは、難しいプレーであるが、「スペースに飛び出して、ダイレクトでクロスを上げる時、一瞬中を見て、スペースに落とすイメージ。ボールをもらう前のイメージ、崩しのイメージが共有が出来ている。自分のイメージと味方のプレーがあったら嬉しい。来い!って思って(味方が)来たら嬉しい。アシストの喜びを覚えた」とフットボールの醍醐味を実感している。

確かに成長を遂げている野田選手であるが、レギュラー獲得までには至っていない。スーパープレーが連発する時とそうで無い時との差があり、安定感がまだ足りない部分もある気がする。野田選手も「阿部さんも槙野さんも一定のラインで高いレベルで遣れている。良い時と悪い時の差を少なく、継続して出来る事が課題だ」と険しい表情で話していたが、いずれその差もなくなってくるだろう。

「練習からイメージをしていれば、途中からピッチに入っても自分の特長であるスピードやクロスを生かす事が出来る。動けば、ボールは必ず出てくる。ミスしても良いから、相手と駆け引きをする」野田選手の言葉には迷いは無かった。ミシャ監督から「サッカーは、今しか出来ないんだから、楽しめ!今の時間を大切に!」と言われたそうだ。その言葉を実行するかのように、本当に貴重な時間を過ごしている。

そうして野田選手は、ミシャ監督に背中を押され、アシストの喜びを感じてピッチの風になる。

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