浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「浦和のあるべき姿」(12/21)

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

リーグ最終戦で感じた、浦和のあるべき姿。ここから浦和復活への道へ!アジアに飛び出そう!

ACL出場権を懸ける事となった最終戦。ホーム・埼玉スタジアムに名古屋を迎え、選手もサポーターも気合いが入った試合となった。スタジアムには、今シーズン最多となった5万1879人の人々が訪れたのだ。活気溢れるスタジアムは、心が躍る。そして試合は、浦和を愛する人々が待ち望んでいた結果をもたらした。

試合終了の笛が鳴った瞬間、名古屋には勝利したものの、鳥栖と柏の結果が分からず、ピッチのイレブン全員が不安げにベンチ見ていた。キャプテンの阿部勇樹選手は、心配そうに両手で大きく○印を作りベンチを振り返った。ベンチから両手で大きな○印を作ったスタッフと選手達が飛び出して来るのを見た阿部選手からは、ようやく白い歯が零れ、赤い歓喜の渦がスタジアムに広がっていった。そして、試合後のポポ選手と田中達也選手のセレモニーにスタジアム全体が悲しみに包まれ思わず涙が零れた。

12月1日を今になって振り返って見ても、嬉し涙と淋しい気な哀しい涙が入り混じった日であった思う。喜びは、一人で喜ぶよりも、大勢で喜ぶ方が嬉しさは倍増して行く。悲しみは、みんなで支え合えば減少して行く。涙で滲んだ田中選手の姿であったが、田中選手の気持ちは全ての人々に届いたと思う。浦和のあるべき姿とは、スタジアムにいる選手もチームスタッフもサポーターも全ての人々が、共に闘い、喜びも悲しみも共有出来る事だと改めて満員のスタジアムであの日感じた。スタジアム全体が(名古屋関係者を除く)同じ方向を向いていたから、喜びも、悲しみも共有する事が出来たのだ。浦和は、みんなが一丸で無ければいけない。一つにならなければ、何も得ることは無かっただろうし、湧き起こる感情すら薄れていただろう。12月1日、浦和は何年かぶりにあるべき姿を取り戻した日でもあった。

あるべき姿を取り戻したからと言って、この日だけでは意味がない。来シーズンもその姿を継続して行かなければならない。ACL出場権を獲得して終わりではないのだ。ACLは参加する事に意義がある大会ではない。浦和には、かつてアジアチャンピオンであった誇りがある。アジアと闘って行く中で、「浦和はやはり凄いなぁ!」と全ての面に於いてアジア諸国に知らしめたい思いがある。

ACLがどんなに過酷であるか・・・。過酷な事を知っている鈴木選手は「ACLに対するアドバイスなんて無い。自分が感じるしかないんだよ。経験を伝えてたって分からないと思う。感じる以外は無いよ」と厳しい口調で話した。そもそも、ACL初出場となった2007年の浦和は、手さぐり状況の中を、クラブも選手もサポーターもみんなが、闘う集団となって優勝へと勝ち進んだ事を忘れてはいけない。過酷さを感じながらみんなが一丸となって乗り越えていった。2008年からの浦和は、まるで平家物語のように「祇園精舎の鐘の声。諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色。盛者必衰の理をあらわす。驕れる人も久しからず。ただ春の夢のごとし」であった。そして、ようやく暗闇の時代から抜け出して来たのだ。平川忠亮選手は「今年は土台を作る部分で、全員が同じ方向が見えた。来年は更なる結果を求めたい。全員が同じ意識で闘わないと、ACLはおろか、リーグ戦もダメになってしまう。」と警鐘をならした。クラブ、選手、サポーターが三位一体となる事が、浦和の強みである。12月1日に感じた浦和があるべき姿が、まやかしでは無い事を来シーズン証明したい。

今シーズン、ACLの出場権は獲得したが、タイトルを獲る事が出来なかった。来シーズンは、闘う集団となって喜びも悲しみも分かち合いながら、優勝と言う至福の時を迎えたい。みんなで、世界に行こう。

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