【This Week】週刊フットボールトーク Vol.119 (12/27)
浦和タウンミーティングで橋本代表と膝を交えてみて2012年を振り返る
椛沢佑一(浦和フットボール通信編集長)× 豊田充穂 (コピーライター)
椛沢:早いもので2012年も余すところ、今日を入れて5日になりました。昨シーズンは、なんとか残留が決まったものの、監督選びが難航して、気持ちが落ち着かないまま年を越えることになりましたが、それに比べると今年のオフは、比較的安心して過ごせます(笑)。
豊田:率直に言ってこの数年はレッズの退潮が著しく、来季の予想が立たない……というより予想をする気分になれないオフでしたね。J発足以来のホームタウンおよびサポーターの貴重な経験値がクラブと共有できていない実証や証言がそこここに在り、「このままでは自滅する」という焦りを強く感じてきた印象があります。幸いにしてミシャ監督の政権は予想を上まわるチーム改革を実現し、補強選手の相応の働きのもとにACL出場という成果も生み出しました。来季も政権が続くという事実だけでも、安堵する空気があるようです。レッズを巡る支持者たちは、こういう時間帯にこそホーム浦和とレッズの退潮の原因とあるべき未来について考え、意見や情報を交換する努力をしたいと思います。
椛沢:その意味も含めて、先週は浦和タウンミーティング005を開催させて頂きました。シーズンの締めくくりとなる会に、橋本代表に再度来ていただき、お話を伺うことができましたね。橋本代表には誠意をもってお話できることはすべてお話を頂けたのではないでしょうか。トップチームについて、ホームタウンとの取り組みについて、クラブ運営について、育成について、クラブの組織について、様々な角度で今季を振り返るとともに、将来展望まで繋がるお話をさせて頂きました。
豊田:橋本代表は約束どおり「サポーターと膝を交える舞台」に戻って来てくれました。激動ともいえるクラブの変化を体験されたと思うし、それを糧として内部改革に取り組んできたことを自らの言葉で語ってくれたことは嬉しかったですね。
椛沢:参加者の皆さんからも直にクラブと意見を言い合える会で良かったという声を頂いていますし、クラブ側も一年間タウンミーティングを開催したことで、意見を吸収してクラブ内部でも取り入れた部分もあるということは会でもお話を頂きましたので、1年目としては成果があったのかと思います。
豊田:代表自身は「残留争いをしてご批判やブーイングを受けていた昨シーズンと、ACL出場権を得た今季と、自分自身は大きく変わったわけではない」といわれていました。確かにプロクラブの経営責任という立場においては、一貫した姿勢を取ってこられたと思います。ただインタビューの進展の中で自ら吐露された通り、「浦和の皆さん、ファン・サポーターの皆さんと直に触れ合うことによって学んだ部分は大きい」とのコメントは事実と思うし、居合わせたサポーターの皆さんには何よりそのこと伝えたい、という意志を強く感じることができました。
椛沢:そんな折に、来季のユニフォームの胸を飾る、トップパートナーに、ポラス株式会社との契約が新たに決まったとの公式発表もありました。ポラスは越谷に本社を置く、埼玉県企業ということで、地元企業との連携強化のひとつと考えられるのかもしれません。このご時勢にスポーツクラブに対して少なくはない予算投資をして頂けることにレッズに関わる人間として感謝をしたいです。
豊田:今回の河合貴子さんとのライブディスカッションの中でも指摘させてもらいましたが「来季もクラブが存続」し、かつ「数も質もトップクラスのサポーターが客席にいる」ことを保証されてオフを過ごすチームなどJの中に数えるほどしかない。クラブも支持者も、URAWAという環境が築いて来たこのフットボール空間の中に自分たちが居る。そして来季に思いを巡らせることができる意味をいつも忘れてはいけないのです。地元企業による胸スポンサー決定の報を、心から喜びたいと思います。
椛沢:来季は1月20日にスタートするということで、年が明けるとあっという間にチームは始動して、シーズン開幕ということになるかと思います。来年も独自視点での浦和レッズ、地元のサッカーを伝えていきたいと思っております。皆様、良いお年をお迎えください。