浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「明るく、楽しく、元気よく!~浦和レッズレディース」(1/21)

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

ベテランが抜け、若手中心となったレッズレディースの意気込み

レッズレディースに衝撃が走った。GK山郷のぞみ選手とFW荒川恵理子選手が、狭山へ移籍。GK小金丸幸恵選手は出場機会を求めて新潟へと移籍して行った。そして、DFの要であった矢野喬子選手、DF土橋優貴選手、MF庭田亜樹子選手、MF柳田美幸選手が引退を表明して、チームを去った。

矢野選手は「レッズレディースの選手として闘う以上、強い気持ちと責任を持たなければなりません。残念ながら、その強い気持ちを維持する事が難しくなりました」と語り、庭田選手も「あらゆる面において、全力でサッカーに向き合って行くのは難しい。日本のトップリーグに所属している以上、妥協は許されません。中途半端にサッカーを続ける事は出来ない」と引退の理由をコメントした。

責任感の強い選手達だけあって、悩んだ末の決断だと思うが、残念でならない。チームの主力として活躍し、経験豊富なベテラン選手たちが一気に抜ける事となり、淋しくもあり、不安が襲った。昨シーズン、U-20 W杯で活躍した、GK池田咲紀子選手やMF猶本光選手、FW柴田華絵選手達の若手の台頭は目を見張る物があった。しかし、チームはベテランと若手が上手く融合して形成される事が望ましいと思う。ベテランは、経験を若手に伝え、若手はベテランを見て成長して行き、余所に世代交代がされて行くことが出来ればチームには安定感が生まれると思っていた。だが、理想と現実は、時として大きく掛け離れてしまった。

溶けない雪がその厳しさを物語る中、いち早くレッズレディースは手塚貴子新監督の下練習を開始した。約1時間、フィジカルを中心とした練習を終えると、手塚新監督は見学に訪れたサポーターに歩み寄り、頭を下げた。それは、サポーターと共に一緒に闘って行く決意の表れなのだ。

そして、会見で「ベテランもいる中でオファーを受けてチームに来ました。ベテランが居る、居ないに関わらず、チームにはテクニックのある選手達が多く所属している。ひとりひとりの個性があってのチーム。選手達の特徴、個性をチームとして出せるサッカーをしたい。形にハメるのではなく、持ち味を最大限に出せる。まだまだ伸びる選手ばかりです。一緒になってチームを作り上げて行く」と不安を払拭するかの様に笑顔で話した。

新キャプテンとなった後藤三知選手は「今まで引っ張って来て下さった方々が、見せてくれた事を自分達が受け継いで、この仲間で魅力的なサッカーをする。チームは若くなったが、レッズレディースのサッカーが面白い、魅力的なチームになっていきたい」と力強く話した。

猶本選手は「キョンさん(矢野選手)やヤナさん(柳田選手)ベテランの存在がお手本だった。昨シーズン、1年だけであったが、自分にとっては大きな1年で、成長するために良い経験が出来た。レッズで中心選手として、試合に出るだけでなく、得点に絡めるチームに貢献出来る選手になりたい」と身を引き締めるように話した。

池田選手は「今までは、ベテラン選手達に頼っていた所があった。山郷さんは、小さい頃からずっと憧れの選手でした。教えてもらう事、見て学ぶ事が多かった。サッカーに懸ける思いとか・・・。今までの自分は甘かった。キョンさんはいるだけで安心出来る存在だった。試合の時の指示が細かく、的確だった。動揺や不安はあります。でも、やるしかない!自分がやらなきゃ!と言う気持ちが強い」と自覚が芽生えた。

ベテランがチームに及ぼす影響は、何物にも変え難い物がある。だが、ベテランが抜けた現状を残された若手の選手達がみんなで話し合い、みんなでチームを作って、抜けた穴をみんなで補えば、乗り越えて行けると思う。ポテンシャルが高い若いレッズレディースの選手達ならば、実現出来ると思う。

手塚新監督のモットーは「明るく、楽しく、元気良く!」だそうだ。ベテランが抜けた事を嘆き、悲しむのでは無く、チャレンジ精神を持って、ピッチの中で「明るく、楽しく、元気良く!」レッズレディースのなでしこ達はみんなで新たな花を咲かすだろう。

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