浦和フットボール通信

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【This Week】週刊フットボールトーク Vol.126 (2/14)

ライバルカシマからきたエース・興梠に高まる期待。

椛沢佑一(浦和フットボール通信編集長)× 豊田充穂 (コピーライター)

椛沢:浦和レッズはお馴染み、指宿のいわさきホテルに入って2次キャンプを行っています。既に柏、磐田と練習試合を行うなど、練習試合を数多くこなして調整を行っています。現地で取材する記者によると、ミシャ2年目ということで、ベースがある中での練習なので、フィジカルを整えながら、チームとしての成熟を図り、新戦力をそこにマッチさせていくという作業を行っている模様です。

豊田:浦和駅近辺でも「わざと遅らせて開くサポーター新年会」が多々催されているようで、そこここで話題を耳にします。今年は余裕を持ってオフに入りチーム考察を経たせいか、開幕に向けての期待がさまざまなアングルから聞かれますね。特に今季も森脇と那須という大型補強を施した守備陣に対する興味はつきないようです。ゲームコントロールを第一義とするミシャの戦術においては「守りからの展開」は注目事項。今季はゲーム数も増えるし、一発勝負で大勢が決まるACL戦も割り込んでくる。メンバーが変動しても、確実にボールをキープして後方から流れを支配するミシャならではの試合運びは実現して欲しい。守備では坪井や宇賀神、アタッカーでは原口など、おなじみのレッズメンバーが先発に入れるかどうかに注目しているサポーターも多いですね。ターンオーバーは必然の流れですが、ACL緒戦の広州恒大戦、J開幕の広島戦のキックオフにどんな先発メンバーがピッチに立っているのか……本当に興味ふかいし楽しみです。

椛沢:中でも興梠は、かなりマッチしてきているようですね。楔が入った時の受け方など、元々定評のあるオフザボールの動きで、チャンスを作り出しているようです。また、鹿島時代にはレッズ戦での活躍が印象強いだけに、“嫌な奴”という印象を受けている人も多いようですが(私もそのひとりですが・・・)、実際は、木訥な雰囲気の好青年のようです。取材陣やフェスタで触れ合ったサポーターからも好印象との反応が数多くありますね。以前のトークでも触れましたが、”活躍することで認められる”ということは興梠選手自身が一番感じているところでしょうから、ピッチで輝いてくれることで、サポーターの信頼を得ることができると思います。

豊田:阿部ちゃんと市衛の田島中コンビもそうでしたが、かつての秋田豊選手(現・町田ゼルビア監督)や本田泰人選手(現解説者)など、アントラーズのプレーヤーたちはサッカーを知っているというよりも「勝負を知っている」という雰囲気があります。さまざまな鹿島支持者の方たちとも交流を重ねて来ましたが、選手たちは一様にレッズサポーターに対する評価を持っているとか。まあ、シーズン毎にくり返された「意地の張り合い」みたいなサポーティングの対戦歴を振り返れば、そうだろうな……と感じるエピソードですが。興梠選手も当然そういう感性を持っているでしょうし、移籍を決めたのもその「サポーターに応える」自信があったということなのでしょう。

椛沢:鹿島サポーターとは長くやり合ってきた印象が強いですね。対チームとしての憎らしさもありますが、対サポーターでも因縁めいたものがあります。最近では、埼スタのアウェイスタンドに掲げた鹿島の謎文「FUCK YOU REDS」と書きたかったんだろうという文字を掲げたり、この文字は古く国立でも掲げていましたね。カシマスタジアムでも小競り合いは枚挙が暇ない(苦笑)。ナビスコファイナルで2年連続対戦をして、初戴冠となった2003年は国立の9割近くを赤白黒のレッズトリコロールビジュアルで埋め尽くして、シテヤッタリのサポーティング対決もありました。

豊田:懐かしいですね。興梠君の加入によって、また熱く語り継がれる対戦歴が刻まれることに期待します。ただ、まだゲームのピッチには立っていませんからね(苦笑)。彼ばかりに重すぎる期待を背負わせたくないし、もちろんポジションを争うメンバーは奮起をして欲しい。そこに生まれる空気こそが、彼が加わった最大の「補強」になるのですから。

椛沢:昨日、今週末にスカパー!で放送される「浦議TV」というスカパーでは、単独チーム初の試みとなる議論番組の収録に立ち会ってきましたが、お馴染みパネラーの方々も興梠選手に対する期待は高かったですね。昨年の大きな課題であった、得点力不足解消のための補強としての興梠選手ですから、否応にも期待は背負わざるを得ないのかもしれません。今季のオープニングマッチとなるACLのアウェー広州戦は現時点でも1500人のレッズサポーターが中国に渡るようです。色々な情勢下の試合ではありますが、フットボールで、浦和を魅せつけるというスタンスは変わりませんから、敵地で浦和レッズここにあり!を示したいところです。

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