浦和フットボール通信

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リアリストの先に見えるもの。ラファエル・シルバ選手【河合貴子のレッズ魂ここにあり!】

J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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派手なイメージとは裏腹に、地に足をつけて生きるタイプ

刻々と迫る試合終了の笛。1点のビハインドを跳ね返すために浦和は、猛攻を仕掛けG大阪のゴールに襲い掛かった。

前半で決着がつけられるほどのチャンスが浦和にはあった。だが、ゴールが本当に遠く感じられる中、やっと巡ってきたチャンスは90+3分のことであった。

ゴールを目指してラファエル・シルバ選手が、ペナルティーエリア内で粘ったクリアーボールを宇賀神友弥選手が拾って放ったシュートが、思わず背を向けた倉田選手の手に当たりPKを獲得。6分のアディショナルタイムは、残り3分。この緊迫した状況でペナルティースポットに向かったのは、ラファエル選手であった。

ラファエル選手は、両手を腰にあてて「フッ~」と呼吸を整えた。そして、細かいステップを踏んで、反応した田尻選手をあざ笑うかのようにゴール右角へと叩き込んだ。

ボールのスピード、コースも完璧だった。PKを成功させて、一目散にゴール裏へと駆け寄り浦和を愛する人々に敬意を表して敬礼をしたのだ。

ラファエル選手は「PKになったシーンは、自分が蹴ろうと拘った。できるだけ集中力を高めて、GKとゴールの枠に100%集中した。GKを見て、強く右に蹴れば決められると思った。コースは読まれたが、右端へ強く蹴った」と思い描いた通りにPKが決まり嬉しそうであった。

そして、「非常にFWにとっては大事なゴールだった」と話した。それは、自分を信頼してチャントを作ってくれた浦和を愛する人々に応えるための大事なゴールだった。また、リーグ開幕戦からの4戦連続ゴールであった。

 

ラファエル選手は「上手くいくか分からないけど、成長したい、前進して一歩先にいきたい気持ちが常にあるんだ。大きく羽ばたくことが出来れば嬉しいし、素晴らしいことだと思ってやってきた。そこで、自分に満足するのではなく、自分に厳しく生きることだ」と力強く話した。

そのラファエル選手の言葉とおり、浦和へやってくるまでの足跡をたどると常に厳しい環境に身をおいて挑戦してきたことが分かる。そして、その挑戦で必ずステップアップしているのだ。

ラファエル選手は、ブラジルの名門チームの1つでもあるコリンチャンスの下部組織で育った。プロ選手として2012年にコリチーバFCでスタートを切った。その翌年に「そのままブラジルでやるオファーはあったが、スイスでプレーをする魅力を感じた。19才から20才の自分の新たな挑戦だった」と日本でいうJ2に相当するスイスのチャレンジリーグのFCルガーノに籍をおいた。

FCルガーノでの1年目は、リーグ戦26試合出場して9ゴールを決めた。2年目は3試合出場して3ゴール。2014-15シーズンが開幕して、すぐに新潟へとやってきたのだ。

ラファエル選手は「当時のオファーよりも、良いオファーだったからね」とニヤリと笑った。「日本でプレーしていた友達もいたし、日本の話を聞いて魅力的だった」と川崎で活躍していたレナチーニョ選手やジェシマウロ選手からアドバイスをもらって日本行きを決めたのだ。

新潟から浦和への移籍も、ラファエル選手にとって良いオファーだった。だが、必ず活躍できる保証はない。激しいポジション争いが、浦和では待っていた。「自分に厳しく生きる」をモットーにしているラファエル選手の選択であった。

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新潟でのラファエル選手のプレースタイルは、スピードを生かしたカンターの飛び道具であった。浦和独特なコンビネーションに慣れるのには、恐らく時間が掛かるだろうし、あまりにも新潟時代の印象が強かったために、浦和でも飛び道具的存在になるのだろうと思っていた。

だが、シーズンが開幕してみると予想に反してラファエル選手は、キープ力、コンビネーション、判断スピードなど素晴らしいプレーの数々を魅せてしっかりと結果を残している。得点王を狙えるぐらいの勢いがある。

ラファエル選手は「浦和に来て、ある程度そう見られる(飛び道具的存在)と感じていたし、実際にそういう空気だった。みんな、僕自身が持っているものを確信していなかったし、飛び道具だと想像している人たちが多かった。だから、それが力に変わった。本来の自分を魅せてあげたいと思った。良い形で、想像を覆すプレーができた。リーグが始まったばかりで、自分の力を魅せることができていると思っている」と満足そうに笑ったのだ。

しかし、ラファエル選手の潜在能力はこんなものではない。まだまだ自分は、成長過程だと思っている。Jリーグで活躍したブラジル選手で、セレソンまで登りつめた選手がフッキ選手やアモローゾ選手など8人もいる。

浦和に移籍してからの活躍を見ると、ラファエル選手もその可能性を秘めていると思ってしまう。ラファエル選手本人は「セレソンの夢は、難しい。現実をみないとね。僕は、地に足をつけていくタイプだ。今の自分のレベルでは、セレソンなんて・・・。ヨーロッパで活躍しているブラジル人選手をみれば、トータル的要素だったり、判断力やクオリティーの高いプレーをしないとね。僕は、リアリストなんだよ」と大きな野望を夢見ることなく、しっかりと現実を見つめていた。

そして「自分に厳しく生きるスタイルに精通することが、いつかブラジル代表が不可能でなくなる。成長し続けることによって、いつかセレソンへの夢が見られるんだよ」とリアリストであるラファエル選手は言った。

現実を突き詰めながら、浦和でしっかりと結果を残し、浦和からセレソンへの夢を描いて欲しいと思った。それには、まず浦和を勝利に導くゴールを決めて得点王へと輝かなければならない。ラファエル選手であれば必ず現実にしてくれるだろう。

リアリストの先には、大きな夢や希望が待っている。

Q. クールダウンは静的ストレッチで良いですか。

A. そうです。静的ストレッチで筋肉を伸ばしてあげるとその反射で筋肉が緩み血液の循環が良くなります。たとえば、肩こりは肩の筋肉が縮んで固くなっている状態です。ストレッチによって筋肉を柔らかくすると血液の循環が良くなります。血液の循環が良くならないと老廃物が溜まってしまいます。だから、ウォーミングアップも大切ですが、クールダウンも忘れずにしましょう。よくゴルフをしている人たちは、終わったら打ち上げでビールを飲んだりしますよね。あれは一番、良くないです。中高年のスポーツ愛好家でゴルフやマラソンとかしている方々は、気をつけてください。アルコールは、最初は血管が広がりますがその後は萎縮しますので適量にして下さい。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。

川久保整形外科がリニューアル開院しました。平成28年5月6日(金)より新クリニックにて診療を開始しています。MRIなど最新施設を備えて、より良い環境の下での医療とサービスをご提供していきます。http://www.kawakubo-clinic.jp/

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