【This Week】週刊フットボールトーク Vol.161 (10/14)
歓喜のWE ARE REDS! 2年ぶりのナビスコカップ決勝進出へ
椛沢佑一(浦和フットボール通信編集長)× 豊田充穂 (コピーライター)
椛沢:先週末は、ナビスコカップ準決勝第2戦、川崎フロンターレ戦でした。第1戦を敵地等々力にて2-3で折り返しての第2戦となりましたが、1-0で勝利し、トータルスコア3-3ですが、アウェイゴールの差で、浦和が2年ぶりの国立決勝進出を決めました。埼玉スタジアムは27,197人と準決勝としては物足りない人数ではありましたが、人数以上の熱気がこの日はありましたね。試合前には、ゴール裏にスタンド全体を覆う日本最大級のデカ旗が久しぶりに登場し、決戦に向けてサポートが行われました。
豊田:かつては不可思議なほどの敵地のお得意さんで、等々力で幾度となく血祭りにあげた相手。それが風間八宏監督の対処戦術が浸透した後は、逆に手痛い失点を重ねて術中にはまる状態が続いていました。個人的にはアルディージャ以上に埼スタリベンジを待ち望んでいた相手です。気合いも入りましたね。
椛沢:ダービーでの勝利の勢いそのまま、この日もレッズは積極的に攻守に渡るプレーを見せて、終始主導権を握り続けました。積極的なファーストディフェンスで、川崎の攻撃を封殺すると、そこから良い形の攻撃が数多く繰り出されます。前半はチャンスこそ作るも決め切れませんでしたが、焦りの雰囲気はなく、このまま続ければ行けるという雰囲気で前半を終えました。
豊田:「フォアチェックの成功」と言いきれば一言で終わってしまいますが、ミシャの戦術選択も、それを隙なく大胆に継続させたイレブンのプレーも素直に讃えるべきでしょう。立ち上がりにいちばん気になったのは大久保嘉人選手ですね。やはり彼あたりに掻き回されて先制でもされたら、相当苦しいゲームを強いられる状況でしたから。得点が入らない苛立ちはあったものの、勝つしかない選手のモチベーションはじゅうぶんに感じられ、後半に向けての一体感をもたらすファーストハーフでした。
椛沢:後半に入ると、サポーターも『アレ浦和』のロングコールで、選手を後押し。それに押されて選手達も積極的に仕掛け続けます。川崎GKの杉山が当たっていたこともありますが、なかなかゴールを割れませんでしたが、ゴール裏から発せられた『THE PRIDE OF URAWA』の大チャントと共に、浦和が最後の勝負に出ます。そのチャントに押されるように、1点をもぎ取るという雰囲気が充満する中で、80分。途中出場の関口が左サイドを突破すると、ニアに飛び込んだ興梠が関口のクロスを足裏であわせて先制点!埼玉スタジアムのスタンドが爆発したかのような歓喜の雄たけびがスタジアムを轟かせました。
豊田:物議を醸していたミシャの交代がスバリと的中した結末でした。ニアで潰れるのは覚悟の上。ピンポイントを狙った興梠の思い切りと機動力はさすがですが、出るなり大仕事に繋げた関口選手の仕掛けには客席も興奮していました。入団以来、最高のビッグプレーだったのではないでしょうか。
椛沢:欲を言えば、残り10分も攻め抜いて2点目を狙う姿勢が見たかったですが、何とか最後も凌いで、1-0で勝利。リーグ戦では0-4の大敗。第1戦では2-3の大逆転負けと2敗を喫していた川崎を破っての決勝進出となりました。試合終了後の「WE ARE REDS」はスタジアム中から叫ばれて、URAWA中に響き渡ったのではないかという大歓声。URAWAの熱狂が戻ってきたと感じる熱狂ぶりでした。
豊田:周辺のサポーターからは、獲得戦力が本領を発揮したゴールに対する喜び。そして、GK山岸を中心にネジを巻き直したように見える守備の集中モードを評価する声が多々聞こえました。ファイナルはいよいよそれらのレッズの現状総合力が試される舞台になると思います。
椛沢:決勝戦は11月2日。5回目の決勝となり、経験のある選手達も「決勝進出しただけでは何も成し遂げていない。決勝で勝ってこそ価値がある」と、決勝進出で浮かれるそぶりはありませんでした。決勝の相手は、柏レイソル。2003年以来の10年ぶりのナビスコカップタイトルをもぎ取りましょう。
豊田:後半30分過ぎ、バックスタンド上段でも両手を合わせて祈りのポーズでピッチを見守るレッズサポーターの姿が久々に見受けられました。2-3のファーストレグの後れを取り戻すハードルはかなり高いものだったはず。私たちの力が本物なら、このファイナルはもちろん、リーグとのニ冠も引き寄せられる流れが作れると思います。
椛沢:そして水曜日には我らが聖地・駒場での天皇杯、モンテディオ山形戦。生粋の浦和人、堀之内聖の凱旋試合となりますが、こちらも油断できない一戦になりそうです。そして週末は、敵地カシマスタジアムで、鹿島アントラーズ戦です。サポーターも4,000人バスツアーを計画して、この一戦に最大級のサポートを展開する準備をしています。ジリジリと順位を上げてきている鹿島を蹴落とし、横浜、広島が直接対決となるタイミングになっていますので、この試合に浦和一丸となって勝ち点3を持ち帰り、終盤戦のスパートをかける一戦としたいところです。気合を入れていきましょう!