浦和フットボール通信

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【This Week】週刊フットボールトーク Vol.171 (12/28)

浦和にとって大事な空気感

椛沢佑一(浦和フットボール通信編集長)× 豊田充穂 (コピーライター)

椛沢:年の瀬が押し迫ってきており、今年も残り僅かとなりました。水曜日の夜には、第7日浦和タウンミーティングを、酒蔵力浦和本店にて開催をいたしました。浦和レッズ2013シーズンを振返る、というテーマの下、浦和レッズから橋本光夫代表、松本浩明広報部長をお招きして、サポーターも50人近くの方が集まって頂いて、レッズについて膝を突き合わせて語り合うことが出来ました。最終的には、力の今井店長が「お店を閉めさせて下さい!」と言われるまで、会が続きまして熱気冷めやらぬ会となりました。

豊田:来場の皆さんの熱を感じました。優勝した時はメディアも制圧する社会現象まで引き起こしますが、「負けた時も熱い議論」という図式はレッズサポーターの伝統芸とも言えるでしょう。でもこれは本当に大切なURAWAの財産と思う。これがなくなったら本当にお仕舞いですよ。

椛沢:会の詳細レポートは別途お送りをしようと思っておりますが、2013シーズンを振返りつつ、ミシャ体制についての考えなどについて橋本代表には現状語れることは語って頂いたのかなと思っております。来季に向けて補強などの状況は、さすがにノーコメントとのことでしたが、私が聞いている限りでは強化部がドイツに渡っているという情報もありますので、外国人選手の獲得もあるのかもしれません。

豊田:お会いするたびに感じるのですが、橋本代表は実直に対応を探ってくれる人です。ただし伏せるべきところは現状に鑑みて外さない……そういうタイプですね。サポーターからの対応の可否を問う意見もさまざまに聞きましたが、私は個人的には非常に好感を持っています。インタビュー後に「また出席いただける見通しですか?」とさりげなく訊いたら、果たして笑顔ではぐらかされましたが。

椛沢:しかしクラブの方向性については、豊田さんも厳しく言及をしていましたね。

豊田:以前に編集長もシーチケの長期保持者が去り始めた状況を指摘しましたが、実は私の周辺では「もう限界」という人が本当に増えたのは今季なのです。この状況下では確認せざるを得ない部分は質させてもらうしかなかった。それを受けて来場の方たちとも活発に議論させてもらうことになりました。いつもは交流会は失礼してしまう私も、眠くなる限界までお付き合いしたのですが、「豊田がまだ居るじゃん」のノリ(笑)で様々な論を吐いてもらえたのは収穫。個人的には全盛期の『浦議』を思い起こしました。皆の思い入れも強いだけに、各コメントを聞いているうちにあっという間に深夜、という感じ。

椛沢:99年のJ2残留争いをしている頃、『浦議』でユーザーが会を開いて、様々なサポーターが集まり、話をしていた頃の熱気に近いものがあったかもしれませんね。それだけレッズを盛り上げたいという気持ちのある方に集まって頂けたのかなと思います。現在、鳥取で活躍する「野人」岡野雅行選手も引退をして、そのまま鳥取のクラブでGMを任されるという報道もありました。彼も浦和レッズの歴史を創ってくれたレジェンドの一人で、我々も鳥取取材を敢行してインタビューをお願いしたこともありました。野人がGMをやれるの?という声も多いですが、鳥取のクラブでは非常に評価をされており、将来は社長にもなってもらいたいと思われているほどの信頼を得ているようです。いつか浦和に帰ってきてもらいたい気持ちもありますが、まず鳥取で頑張ってもらいたいと思います。彼にはまたメッセージをもらいたいですね。

豊田:まさしく彼や堀之内聖さんの帰還を期待する声は多かったなあ。指導者やマネジメントサイドでの立場で彼らを待望するウェーブが、レッズ支持層の中に確実に起こっています。これは代表のインタビューを掲載した後にまた述べさせてもらいますが……現状の停滞打破のキーマンとして、補強選手よりも彼らの名前が挙がる背景を橋本さんにはいま一度、かみ締めていただきたいという思いがあります。

椛沢:岡野さんのインタビューでも、福田さんとお話をした時も、彼らは浦和の空気をよく理解されている。理解というか、一緒に創り上げてきたから感覚が同じところがあるんですよね。それはクラブ、選手、サポーター、街という立場の違いがあっても同じものが語れるところがあった。そのような部分を求めているサポーターは多くいるのではないでしょうか。相良さんと話をした時に、むかしむかしは、負けた夜に、土田さんや広瀬さんなどの選手が、サポーターが集まる席に来て「今日は悪かった。次は頑張るから」という一言だけを伝えにふらっときた。今はそのような関係性まではないよね、という話をしました。クラブ内部でも森孝慈さんが監督の時もGMの時も街を歩いて、そのような関係性を築いていた。そういう部分は、また創り上げないといけないね、という話を先日しました。このタウンミーティングも狙いはそこですが、レッズに関わる皆が当事者であるということを認識して、盛り上げていくという雰囲気はレッズの伝統として伝えていきたい部分です。今年の週刊フットボールトークは、今回にて終了となります。来年に向けて、浦和フットボール通信WEBもリニューアルを行っていき、よりレッズオピニオンと、レッズの現状を知り、考えることが出来るWEBマガジンへの進化させていきたいと思っておりますので、引き続き宜しくお願い致します。みなさま、良い年をお迎えください。

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