浦和フットボール通信

MENU

「苦しい試合を勝ちきる力」ゴール裏からのレビュー Jリーグ第8節vs川崎フロンターレ戦 (2014/4/21)

kawasakihome
前節、敵地・豊田スタジアムでロスタイムのゴールで劇的勝利を手繰り寄せたレッズは、ミッドウィークに開催されたカップ戦では、柏木を除く主力組を温存して、徳島に逆転勝ち。公式戦4連勝と勢いが出てきた。

ホーム埼玉スタジアムに迎え入れる川崎は、ここ2シーズンでも1分3敗と相性が良くない。この試合も敵地での勝利を後押ししようと、川崎サポーターが大挙して押しかけていた。レッズサポーターも戦前は2万そこそこの発券数という情報もあったが、最終的には35,239人がスタジアムに詰め掛けてスタンドを赤く染め、チームを後押しした。

依然、レッズのスタンドには横断幕、オフィシャルフラッグ以外の旗、太鼓などのアイテムはなく、声と手拍子を中心としたサポートが続いている。試合前には、「威風堂々」が歌われて、選手達の入場を待った。この試合に挑む、そしてこのサポートスタイルで戦う、サポーターたちの気持ちの表れでもある歌だったと思う。

試合は戦前の予想通り、開始早々激しい展開となる。積極的に仕掛けるレッズ、一瞬の隙を与えれば、ゴールに向かってくる迫力ある川崎の攻撃力。スタンドも集中力を擁する試合となった。レッズは右サイドの梅崎から幾度もクロスを上げるが、好機にはなかなか結びつかない。川崎もチャンスを作るも、GK西川が守護神の名前が相応しくゴールを破らせない。レッズは、FKのチャンスを槙野がゴールを鮮やかに決めるが、壁でファールがあったということで、ゴールが認められず。スタジアムは不満の空気が充満した。

後半は、ギアを上げる川崎の攻撃で一方的になる。川崎も風間八広監督の3季目ということもあり、個の力だけではなく、パスを繋ぐという部分においても熟成されてきていることが窺え、今後もこのチームは上昇してくると感じた。この攻撃を、前半、怪我で交代した槙野に代わり、濱田水輝を中心とした守備陣、チーム全体が守る意識を強く持って、ゴールを割らせない。その中で68分にレッズにチャンスが訪れた。柏木に代わって入った青木が右サイドにロングパスで展開すると、梅崎がダイレクトで中に合わせて、そのボールを宇賀神がゴールに叩き込んで先制。何度となく狙ってきた形が、ここで決まった。

先制をして、優位な試合展開に持ち込みたいが、さらに圧力をかける川崎に対して、カウンターすら仕掛けることが出来ない。試合終了間際には、スタンドからは『PRIDE OF URAWA』が歌われて、その声はスタジアム中に拡がって行く。スタンド全体で守りきって勝利を手繰り寄せたいという気持ちが強く出ていた。その声に押されて選手達も身体を張ってゴールを守りきり、1-0で難敵、川崎を退けた。

苦しい試合を競り勝っていくことは、優勝を目指すためには必須の条件。今季は、締まった試合もできるようになってきたのは、大きな成果になるのではないだろうか。

スタンドに熱狂が戻っているとは言い難い状況の中で、今は、チーム、選手の頑張りでチームを盛り上げてもらいたい。この試合のように、必死にプレーする姿を見せ続けてくれれば、スタジアムで応援したいと思うサポーターも増えてくるに違いない。

ページ先頭へ