浦和フットボール通信

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「国立ファイナルはスコアレスドローに終わる」 Jリーグ第11節vsヴァンフォーレ甲府戦 ゴール裏からの試合レビュー(2014/5/7)

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前節、FC東京を1-0で退けて4シーズンぶりに首位に立ったレッズは、ヴァンフォーレ甲府のホームゲームとして行われた国立競技場に乗り込んだ。

国立競技場は、2020年の東京五輪に向けて全面改修をされて、現在の形での“国立競技場”でのラストマッチとなった。国立競技場は、日本代表、高校サッカーによるサッカーの聖地ではあるが、浦和レッズとしても様々な歴史を刻んだスタジアムであった。初タイトルとなった2003年のナビスコカップ。2つの天皇杯タイトルもこのスタジアムでのものだった。その他、鹿島とのビックマッチもこの国立で数々行われて、記憶の残っている試合も多い。

試合前には聖火台での聖火の点灯。川淵三郎日本サッカー協会最高顧問の挨拶などファイナルマッチのセレモニーが行われた。この聖火台は、川口の鋳物工場で作られたものであるのも埼玉県人としての誇りでもあった。聖火台に立ち「PRIDE OF URAWA」のゲート旗を試合前に掲げて会場を盛り上げたサポーターの逸話も語り繋がれている歴史のひとつだ。
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陸上競技場でありながら、すり鉢状で絶妙な傾斜からなのか、ピッチが近く感じるのも、このスタジアムの特長で、このスタジアムで見るサッカーは、何か特別な思いをいつもさせられるものだった。

そんな最後の国立には36,505人が集まり、レッズサポーターもスタジアム半分を赤く染めた。レッズサポーターはマフラーを掲げながら「好きにならずにいられない」を歌いながら選手を迎え入れた。

GW連戦ということもあり、ミシャ監督は、スターティングメンバーを入れ替えてきた。槙野が怪我から復帰してスリーバックの左に入り、左サイドハーフも宇賀神から関口に代えてきた。試合は最終ラインをがっちり固める甲府と、ポゼションして崩そうというレッズの構図となった。連戦の疲れが見えて、引いた相手を崩すための力はなかったように思える。

引いた相手を打ち破るためには、決定的な仕事をする選手の存在か、サイドを切り崩して中の穴を空けるか、縦の連動で、相手のディフェンスのギャップを突く、セットプレイから得点をするなど、様々な方法があると思うが、この試合ではいずれも、その攻略をほとんど見ることが出来なかった。

90分間、みどころがほとんどない試合だったと言っても過言ではない。ただ、守備陣は最後まで集中力を保ち、甲府に決定的チャンスを与えず無失点で終えて、スコアレスドローで試合を終えた。

国立ファイナルマッチとしては、物足りないゲームだったとは思うが、長いシーズンを考えると、このような試合も出てくる。苦しい状況で勝ちきれるほどの圧倒的な力をレッズが有していないということでもあるというのが冷静な見方だろうか。

サポーターからは「次は勝ってくれ!」という声があがる。次はさいたまダービーの大宮戦だ。この試合は、街の誇りをかけて、とにかく結果が求められる試合だ。ダービーでの勝利を期待したい。

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