浦和フットボール通信

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『決勝・埼スタに向けてホームで決めろ』ナビスコカップ準々決勝 サンフレッチェ広島戦 ゴール裏からの試合レビュー(2014/9/5)

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“決勝・埼スタ”に向けて、ナビスコカップ準々決勝の第1戦が、敵地・広島ビックアーチで行われた。決勝トーナメントからは、HOME&AWAYでの2戦合計の試合結果で、勝敗が決まる。

広島は土砂災害が起きたことが記憶に新しい。テレビの画面には未だ土砂災害の情報が出ていたが、街中ではさほど、それについて意識するような場面はなかった。しかし、スタジアムに向かうアストラムラインは、土砂災害が起きた現場の近くを通り、その現場こそ見ることは出来ないものの、ニュース映像で良く見るような、車窓から見える山あいの景色から、大災害の悲惨さを想像していた。

広島ではタクシーの運転手さんに、広島市民球場跡地に新設計画があるサッカースタジアムについての話を尋ねると「個人的にもサッカースタジアム建設に賛成だけども、今回の土砂災害で、そちらの復興、対応で予算を必要とするだろうから、そのような施設の建設の話はストップするのではないか」と話をしていた。「今のビックアーチで試合が行われるとなかなか見に行くことが出来ない。街中に出来れば、ふらっとサッカーを見に行きたいと思っているのだけどね」と、街中から遠く離れたスタジアムの立地、アクセスの悪さは、動員に大きく影響している様子だった。

スタジアムは確かに街中から遠い。広島市内からアストラムラインに乗って、50分ほど揺られて、ようやく最寄り駅の広域公園に到着する。そこから徒歩で10分ほど歩くと、スタジアムに到着する。

平日開催、カップ戦ということもあってか、スタジアムは6,718人と5万人収容の大きなスタジアムの空席が目立っていた。浦和から駆けつけたサポーターも300人程度と、今季一番少ない人数でのサポートとなった。スタジアムは、時折雨が降り、気温はさほど高くなかったが、蒸し蒸しする、蒸し風呂のような状況の中での試合となった。

広島戦というと、直近にホームで開催されたリーグ戦の停滞した試合を思い起こしてしまう。同じシステム戦い同士のミラーゲームになるために、お互いが見合って、硬直した時間が続くことが、この試合も予想された。レッズサポーターは、「ゴールで俺達を熱くさせろ」と、選手達に積極的な姿勢を促した。

試合序盤は、ホーム戦と打って変わり、広島が積極的に仕掛けることで、お互いが仕掛けあう展開となった。しかしお互いにゴール前で迫力を作りだすことまでは行かず、25分が過ぎると、お互いにスローダウンして、試合が停滞することになった。広島は、佐藤寿人が決定機を迎えるが、シュートはバーに当たり、事なきを得た。前半は0-0で終了した。レッズイレブンのコンディションも良くないように見受けられた。

後半も試合がなかなか動かない。レッズは、啓太、李とフレッシュな選手を投入して、状況打破を図った。サポーターもこのタイミングに合わせて、応援のボリュームを上げていく。その中で、李が惜しいチャンスを作り出すが、シュートはバーに当たって跳ね返り、ゴールを割ることが出来なかった。逆に広島にもビックチャンスを作り出されたが、広島も決めきれず、試合はスコアレスドローで終了をした。

「次、勝って決めよう!」ゴール裏のサポーターから選手に声が掛かる。0-0で終わったことで、ホームで勝利すれば準決勝に進出できるという、分かりやすい構図が作ることが出来た。広島とのミラーゲームは球際、局面勝負で勝つこと、ゴールを決めたい。勝ちたいという気持ちで上回ることで、勝利は近付いてくると思う。次はホームでの試合なので、その部分をより意識して闘いに挑んで欲しい。

広島まで来て、退屈な試合を見るのは残念な気持ちになるが、これもフットボール。本当に感動する試合、心が動かせる試合というのは、10試合に1試合もないかもしれない。それでも退屈な試合を見るから、勝利した時、目的が成就した時に喜びも倍増する。そんな修行のような考え方を持って、自分を言い聞かせつつ、広島の美味しいものを食して、気持ちを納得させながら、浦和への帰路についた。

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