浦和フットボール通信

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「閑散としたスタジアムに、虚しさが残る試合」ナビスコカップ準々決勝vsサンフレッチェ広島 ゴール裏からの試合レビュー(2014/9/8)

HOME&AWAYで、争われるナビスコカップ準々決勝。敵地・広島での戦いをスコアレスドローで終えたレッズは、ホーム埼玉スタジアムに帰ってきての一戦となった。

埼スタの最寄り駅の浦和美園駅は、開門前の時間にはひと気がなく、本当にホームゲームがあるのかという雰囲気。チケット販売の速報値でも12000枚しか売れていないという。スタジアムに入っても平日のカップ戦のような人の少なさ。実際に17,645人と、昨年同時期に開催されたナビスコカップ準々決勝セレッソ戦が、22,743人だったことを比べると5,000人近くが減っている数字となった。

この試合はシーズンチケット対象外の試合で、全てのサポーターがチケットを購入しなければいけない。その試合で、人数が減っていることは何を意味するのか。浦和の火が日に日に萎んでいることを表す光景だったと思う。これの危機感を持たなければいけない。

広島のスタンドには「GO!GO!攻撃!サンフレッチェ」というメッセージ幕がサポーターの最前列に掲出されていた。攻めてこの戦いを勝ち取れという広島サポーターのメッセージだったのだろう。

そんなメッセージとは裏腹に試合は、お互い様子見の状況からスタートする。しかし、34分に阿部がミドルシュートで奪ったCKを、そのままヘディングで決めてレッズが先制。これで前に出てくる広島に対して、どこか受身になってしまうのが、今の浦和の弱さだ。あっという間の39分、野津田に強烈な左足のミドルシュートを決められて同点に追いつかれる。

前半は1-1で終了するが、広島の勢いを止めることが出来ない。後半早々48分に、左サイドをコンビネーションで崩されると佐藤寿人に押し込まれて、逆転。アウェイゴールを考えるとレッズは2点のビハインドとなった。

ここから、ようやくギアを入れて縦への迫力が出てきたレッズは、身体を張ってゴールを死守する広島に苦しむも、71分に槙野のゴールで同点。準決勝進出までは、あと1点が必要となる。もう1点を目指して猛攻を仕掛けるが、2-2で試合は終了。アウェイゴールの差で、広島が準決勝に進出した。

先制点を奪っても勝負所で2失点を喫してしまい、その阿智に焦って猛攻を仕掛けて、時既に遅し。負けるべくして負けてしまったような試合だったと思う。その試合後に審判にクレームを入れる選手の姿。これははっきりいって、みっともない姿。それに呼応するようにサポーターも審判に大ブーイングを浴びせる。まるで負けを審判のせいにしているようでは、このチームの成長はない。

ナビスコ決勝は、他チームによって行われることになる。これもレッズにとっては屈辱的な光景になることを、どのくらい感じられていたのか。リスクばかりを考えて、本当の勝負が出来ない。ピッチはクラブの映し鏡でもあると思う。虚しさの残るスタジアムだった。

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