浦和フットボール通信

MENU

河合貴子のレッズ魂ここにあり!「魂の叫び~森脇良太選手」

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

KAZ_1923

浦和に馴染んできた魂の男・森脇良太の想い

「やりましたぁ~!」と埼玉スタジアムに雄叫びをあげてヒーローインタビューに応じる森脇良太選手へ、お愛嬌のブーイングが巻き起こった。

第22節の大宮戦で、今シーズンリーグ戦初ゴールを決め、それも試合を決定付ける3得点目をあげた森脇選手であったが、ヒーローインタビューでブーイングをされるなんて前代未聞である。ゴールを決めてチームに貢献したのにも拘らずにブーイングをされてしまうのも、森脇選手のキャラクターなのだ。

森脇選手は「このブーイングも嬉しいです~!」と叫び、両手を上げてゴール裏に向かって投げキスを送った。そして第23節の清水戦では、平川忠亮選手の折り返しを走り込んだ森脇選手が、右足でトラップし左足に持ち替えてシュートを放つと、李忠成選手がブラインドとなりGKが一歩も動けずにゴールに吸い込まれた。

さらに、28分には李選手がDF裏を狙う動き出しを感じて絶妙なタイミングで前線にパスを送り、2点目を演出した。1ゴール1アシストとなった清水戦で試合後のヒーローインタビューでは、テレビカメラに向かって「気持ちを籠めて、魂込めて闘いたいと思います。絶対、優勝します!やるぞぉ~!」と雄叫びをあげてガッツポーズをして見せた。いずれも、森脇選手の心の奥から自然に湧き上がった魂の叫びであった。

森脇選手は、広島生まれの広島育ちで、当然のように広島のJrユース、ユースでプレーをしていた。高校3年生の時は2種登録され、2004年6月5日ホーム広島で行なわれたナビスコカップ予選セレッソ大阪戦に、駒野友一選手の怪我による戦線離脱で初先発し、攻守に渡り、90分活躍して2対0で勝利を収めた。

翌年には、トップ昇格をしたが駒野選手の壁は厚く、なかなか試合出場することが出来なかった。プロデビュー戦は、2005年5月21日ホーム広島で行なわれたナビスコカップ予選川崎戦であった。やっと巡って来たチャンスであったが、1対4で敗戦。森脇選手にとって苦いプロデビューとなり、この1試合出場でプロ1年目のシーズンが終わった。

そして、試合出場経験を積むために2006年から2年間、愛媛FCへとレンタル移籍となったのだ。森脇選手は「めちゃ悔しかった!もう首だと思った。プロ1年目で1試合出場したけど、その試合でケチョンケチョンにされて挫折していた時だった。フロントから『良太を成長させたいから、違うチームでプレーをした方が良い』と話しをされた時に、かなり凹んだ。もう、プロとしてやっていけないのか・・・って。2~3日落ち込みましたが、愛媛に決まってやってやろうじゃないか!今に見とけよ!絶対、俺を出した広島を見返してやる」と若さ故に当時は思ったそうだ。愛媛での2年間「広島を見返してやる!」その気持ちを心の支えに森脇選手は、ガムシャラに頑張り公式戦83試合出場を果たした。

JFLからJ2に昇格したばかりの愛媛では、野球場の外野の芝生で練習したり、夏場にシャワーが無く公園の水道で身体を洗ったり、1つしかないストレッチの道具を皆で順番に使ったりしていた。「愛媛では雑草魂、ハングリーさを学んだ。浦和や広島の環境は素晴らしいものがある。すごく幸せだ。でも、それに甘えていてはダメだ」と森脇選手は当時を振り返って身を引き締めて話した。

2007年に広島のJ2降格が決まり、駒野選手が磐田へ移籍したこともあり、広島は森脇選手を呼び戻した。森脇選手の広島への復帰は、チームの事情もあったが、なによりも愛媛での2年間で森脇選手が選手として成長していた証であった。広島に復帰した時は「素直に嬉しかった。広島で育った人間として、広島でプレーしたい。活躍したい」と言う思いが森脇選手にはあった。

復帰した広島では、森脇選手に大きな影響を与えてくれたミシャ監督との出会いがあった。「ミシャとの出会いは、僕の中で特別だった」と森脇選手は話した。その後、レギュラーに定着し優勝にも大きな貢献を果たした。しかし、広島の優勝には、ミシャ監督はいなかったのだ。その、ミシャ監督の後を追うように、広島から浦和へとやって来たのだ。育ったクラブを出て、どれだけ活躍できるかためしたい思い。ミシャ監督を優勝させてあげたい思いがあった。森脇選手にとっては、大きな決断であった。

「昨年は、結果的に優勝を成し遂げられなかった。悔しさがある。タイトル獲って、一番に監督へ抱きつきに行きたい」と森脇選手は笑った。もちろん、ミシャ監督への思いもあるが、森脇選手と話していると、これまで支えて来てくれた人々への感謝の思いを感じた。浦和を含めて、プロ選手として歩んで来た10年の月日の思いが「浦和で絶対に優勝する!」と魂の叫びとなったのだ。魂を籠めて、森脇選手は優勝へと突き進む。

Q.膝の裏の痛みについて教えて下さい。

A.要因はいろいろとありますが、膝の関節を怪我すると最初に膝の裏が痛くなる患者さんが多いです。関節の中に1本だけ腱があります。外側の半月板の後ろにある膝窩筋腱(しっかきんけん)の周囲で炎症を起こすと、膝の裏が痛くなります。腱の周囲は、炎症を起こし易いので、過度な運動は気を付けた方が良いです。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。

川久保整形外科クリニック 整形外科・スポーツ整形・リュウマチ科・リハビリテーション
http://www.kawakubo-clinic.jp/

パートナーサイト

ページ先頭へ