誰も諦めていない！信じてる！！

首位をG大阪に奪われて、一夜明けた浦和の練習が、11月30日午前10時からはじまった。 鳥栖戦でスタメンしたメンバーは、軽くランニング、ストレッチ、ステップワークを入れたランニングをしたのち、再びストレッチを行なった。昨日アディショナルタイムの失点で引き分けに終わった鳥栖戦から気持ちを切り替えるように、ランニングでは阿部勇樹選手が先頭を走っていた。 そして、最後のストレッチが終わるとミシャ監督と青空ミーティングが行なわれ、昨日の試合を振り返り、ディスカッションが行われていた。

他のメンバーは、アップ後２チームに分かれてミニゲームをおこなった。ビブ組はGK岩舘、DF濱田、MF矢島、山田、関根、FW阪野。ビブなし組はGK加藤、DF坪井、永田、MF鈴木（天野コーチ）、マルシオ、関口。 両チームとも、ポジションに関係なく、豊富な運動量で攻守の切り替えが早く、かなり球際が激しい動きを見せていた。１本目のミニゲームが終わったあと、鈴木啓太選手が１人メンバーから外れて、変わりに天野コーチが入って練習が行われた。

森脇「悔しさをホームでぶつける！」

クールダウン後、チームで一番ポジティブな森脇良太選手は「可能性が広がったと捉えている。まだまだ、下を向く状況ではない。首位は譲ったが、自分たちで変えられるチャンスがある。ラスト勝って試合を締めくくりたい」と気丈にも笑顔で話した。そして「最後のラスト、失点をしてしまったが、失点が引き分けの要因ではない。僕を含めて、チャンスで決め切らないといけない。悔いが残る。一日寝れば、気持ちが切り替えられるが、悔しい中で、朝起きて、もやもや・・・。本当に悔しいが、その悔しさをホームでぶつける！下を向いている暇はない！」と必死に気持ちの建て直しを図っていた。

梅崎「自分たちの力を出し切る」

鳥栖戦の引き分けを振り返り、梅崎司選手は「非常に残念です。追加点のチャンスがあった。決めていれば・・・」と唇を噛み、下を向いた。そして、気持ちを切り替えるように「まだ、可能性はある。最終戦、ホームで勝って、望みを繋げたい。先ず、自分たちの力を出し切る。そして、来ている（埼スタに）人たちのために魅せたい」と最終戦に懸ける思いを話した。

直輝「ピッチに立てるよう準備する」

山田直輝選手は「鳥栖にやられた時は、何も考えられなかった。ただ、終わってしまったことなんでね。サッカーでこれだけ熱くなれるって、凄いことだと思う。しかも、優勝が無くなった訳じゃない。勝たなきゃいけない試合で、いろんなことを想定していた。自分が出たら（鳥栖戦）どうするか、ずっと考えていた。鳥栖戦のピッチに立てなかった悔しさがある。とにかく、最後の１週間は、ピッチに立てるように準備する」と試合に出られなかった悔しさをバネに、名古屋戦の出場を虎視眈々と狙っていた。そして、笑顔で「ヒロ君（現徳島・高崎選手）がやってくれる！！」と他力ながらも最後の望みを掛けた試合に挑む構えをみせた。

泣いても笑っても今シーズンの最後の１週間が始まった。

タカネェの今日のイチオシ！！「鈴木啓太選手」

鈴木選手は、ミニゲームのコートから離れると、自分自身への苛立ちなのか、手袋をピッチに投げつけて天を仰いだ。その後、１人でウォーキングとゆっくりとランニングをし、クールダウンだけみんなと一緒におこなった。鈴木選手は、練習後「ちょっと試合が出来るコンディションではない。ドクターと話して、練習はしているが、不整脈が出て難しい状況だ」と険しいで話した。「自分としては、難しい。気持ちの部分では、どうにもならない。捻挫ならチャレンジ出来るけど・・・。マリノス戦の試合途中からあった。ただ、個人的な問題なので、チームのことが大事。脈が、ちょっと正常じゃない。検査もしたし、いろんな形でチャレンジ出来る方法を探した。試合に出たい気持ち、メンバーに入りたい気持ちとかあるけど、貢献出来るかどうか？！気持ちの葛藤があった。今もある。監督と話して、ベンチにも入らないことを決めた。大事な時期に力になれないのは残念。自分には、違う役割がある。それをチームのために使いたい。自分を含めて、誰も諦めていない。浦和の優勝が、厳しい状況だけど、信じている」と胸中を語った。 鈴木選手は、マリノス戦後の中断期間に埼玉県内の病院で『不整脈』と診断。ここまでチームを支えてきた鈴木選手の離脱は、浦和にとって大きな痛手となった。葛藤しながらも鈴木選手は、名古屋戦に向けてトレーニングをしていた。ただ、仲間を信じる鈴木の思いに、逆転優勝に望みをかけたいところだ。