浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「道標」

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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浦和の道標を指し示すのは、まだ道半ば

昨季は、あと1歩のところで優勝を逃し無冠で終わった。思い起せば波乱万丈だった2014年シーズンの幕が下り、新たな年が明けた。2015年シーズンが、まもなく始まる。

理想と現実の狭間で浦和は、どこに向かっているのだろうか?

今シーズンの公式戦は、ACL出場に伴い2月25日の水原三星戦から始まり、28日にはFUJIXEROX SUPER CUPのG大阪戦があり、3月4日にはブリスベン・ロアー戦、3月7日がJリーグ開幕戦といきなり過密日程となっている。

浦和は、ACLもリーグもタイトル奪還を目指し、2014年シーズン終了と共に大宮からズラタン選手、広島から石原直樹選手、FC東京から加賀健一選手、仙台から武藤雄樹選手、柏から橋本和選手、清水から高木俊幸選手と補強を行なった。いずれも、J1クラブで活躍する選手たちである。また、徳島から小島秀人選手、長崎から岡本拓也選手、北九州から大谷幸輝選手がレンタル期間を終えて復帰して来る。

しかし、その一方で契約満了に伴い、マルシオ・リシャルデス選手はブラジルに帰国し、坪井慶介選手が湘南へ、関口訓充選手がC大阪へと移籍した。更に、昨シーズン試合出場機会を求めて山形へレンタル移籍していた山岸範宏選手の完全移籍が決まり、加藤順大選手は大宮へ、濱田水輝選手は福岡へ完全移籍した。そして、山田直輝選手が湘南へ、阪野豊史選手が栃木へ、矢島慎也選手が岡山へとレンタル移籍が決まった。実に18人の選手が入れ代わることとなり、浦和は様変わりした。

新人選手は、ユースから昇格した斉藤翔太選手と茂木力也選手である。レンタルからの復帰組みの選手もいるが、気がつけば他のクラブから来た選手で浦和を占める割合が多くなってしまい寂しさが募る。

人それぞれ思い描く理想のクラブがあると思う。「優勝」出来れば何でも良いと思うファン・サポーターもいるだろう。なかには、やはり他のクラブからの移籍組みではどこか借りものみたいで、地元に根付いたユース出身の選手たちや浦和一筋の選手や浦和出身の選手たちにいて欲しいと願う声を耳にする。

選手の育成をしながら優勝を獲得することは、どんなクラブでも至難の業であることは事実だと思う。財政難から、育成した優秀な選手を高額の移籍金で手放すクラブもある。当然、それでは優勝すら狙うことは出来ない。だが、財政難からクラブが消滅してしまうよりはまだ良い。浦和は、幸運なことに浦和を愛する多くの人々に支えられ財政難に苦しむことは、今の時点ではない。

スポンサー料、チケット収入、グッツの売り上げなど他のJクラブよりも遥かに恵まれた環境にある。それが故に人々の期待が大きく、タイトル奪還への思いが強くなっている。

地域に根差し、愛されるクラブと言う理想論から言えば、浦和出身(アカデミーはもちろん、高校ルーキー・大学ルーキーなどレッズで育った選手の意味)の選手たちで一貫したフットボールで揺ぎ無い強さ示すことが出来れば最高である。これは、あくまでも私の理想論である。

湘南へレンタル移籍した山田選手は「どこでプレーしようとも、最後はここのチームだと思っている」と浦和愛を話してくれた。 前橋育英高校時代に特定指定選手として浦和に通いサテライトリーグに出場し、トップチームに昇格してドイツへと渡った細貝萌選手も「いずれ日本に戻ってプレーするなら、浦和に戻って来て良いかなぁ?!」と話していた。浦和を旅立った長谷部誠選手だって、原口元気選手だって同じ気持ちで浦和愛がある。いつの日か、彼らたちが戻って来られるようなクラブでなければいけない。

浦和がもしJ2に降格することがあったら、彼らたちは浦和に戻って来てくれるだろうか?仮に戻って来ても彼らたちのスキルを考えるとJ2で浦和のためにプレーをさせても良いのだろうか?などと様々なことを考える。浦和が財政難に陥ったら、彼らたちを呼び戻す資金すら無くなる。彼らたちが、戻って来られるクラブになるためには、道標となる明かりを消してはならないのだ。

浦和は、紆余曲折しながら崩壊と再生を繰り返して来た。浦和が、過去にどんなに苦しい時でも浦和を愛する人々は浦和を支えて来た。浦和の経営は、ソシオ制度ではない。しかし、浦和を愛する人々には、チームを支える誇りと喜びに溢れていた。それは、「サッカー王国埼玉」の誇りの下で浦和が浦和らしくあるためであった。「レッズスタイルの構築」と浦和が目標を掲げて何年経っただろうか?ミシャ監督体制になって「浦和らしさが無くなった」と言う人もいるが、「レッズスタイル構築」するためには必要なことなのかも知れない。今は、まだ道半ばなのだと思えた。

理想と現実の狭間の中で、道標となる明かりを灯すのは、クラブでは無い。浦和の道標の明かりを灯すのは、浦和を愛する人々である。ひとり、ひとりの道標の明かりは、暗闇に紛れてしまうほど小さいが、浦和愛する人々が集まれば、それは未来を照らす道標になる。まだ道半ばの浦和が、先へと進んで行けるように、2015シーズンも共に笑い、共に苦しみ、共に喜び、共に闘って行こう!


Q. 脱臼を起さないためのサポーターはあるのでしょうか?

A. 初めて膝のお皿(膝蓋骨)を脱臼した時は、まずはギブスで固定します。そして、お皿が抜けないように、外側にパットが付いている特殊な膝蓋骨脱臼用サポーターを使用します。一般的には、大腿四頭筋を鍛えると良いと言われています。お皿の脱臼は、適切な治療をしないと、何度も起し易くなるので気をつけて下さい。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。
http://www.kawakubo-clinic.jp/

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