浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「帰って来た狼~岡本拓也選手」

J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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「ユース育ちが頑張らないといけない」という生粋の浦和育ちのプライドがあった

ギラギラと目を輝かせて、ボールを奪う。ピッチの中で岡本拓也選手は、いつもギラギラしている。

以前、岡本選手のことを「飢えた狼」とコラムで書いたことがあった。<河合貴子のレッズ魂ここにあり!「飢えた狼~岡本拓也選手」(8/24)

その「飢えた狼」が牙に磨きをかけて1年半ぶりに長崎から浦和に帰って来たのだ。

長崎では、主力としてJ2リーグ36試合に出場を果たし、実践を積んで来た。長崎での経験で得たものは「タフさだ!」と岡本選手は言う。

「V・ファーレンは何も無いのが普通だった。レッズにはなんでもある。グランドもクラブハウスある。自分のロッカーもあるし、練習着は管理してくれて、お風呂もシャワーもある。トレーナーさんもスタッフさんも沢山いる。でも、向こうは、グランドも決まっていないし・・・。ある物の中で、いろんな工夫をしてやっていた。初めてV・ファーレンに行った時、驚きと戸惑いがあった。でも、それが普通なんだと思った。レッズみたいに何でもあることが、特別なことだし、幸せなこと。感謝している」と話した。

浦和を離れて、改めて浦和のフットボールに集中出来る特別な環境に感謝した。その半面、何も揃っていない厳しい環境に身を置くことで、どんな状況でも動ぜず、工夫して取り組むタフさを身に付けて来たのだ。

岡本選手は、生粋の浦和育ちである。道祖土サッカー少年団から浦和Jrユース、ユースで育って来た。ユース時代は、豊富な運動量と対人の強さを買われてU17日本代表にも選出された。将来を嘱望されて、2009年からトップチームの練習やサテライトの試合にも出場していた。そして、2010年には2種登録選手としてトップチームへと早々に昇格し、3月14日のFC東京戦で途中出場ながら堂々とデビューを飾ったのだ。

当時、FC東京に在籍して、今や日本を代表するサイドバック長友佑都選手と臆することなく対峙した。岡本選手は、17歳269日の恐いもの知らずの若武者であった。そのデビューに、浦和を愛する人々とは心を躍らせ、岡本選手の未来に期待を掛けていた。しかし、怪我に泣かされたり、監督も代わり求められるプレースタイルも変わり、試合経験を求めて2013年8月にシーズン中であったが、長崎へレンタル移籍で修業に出たのだ。

長崎から帰って来た岡本選手は「浦和は、レベルの高い選手が集まるクラブだ。プロの世界は、実力の無い選手はチームを出て行かなくてはならない。しがみついて行く。一日、一日が勝負だ。すぐに試合に出れるほど甘く無いと思って覚悟して帰って来た。その壁を乗り越える」。強い思いをギラギラした目で話してくれた。

その思いの裏には、「ユース育ちが頑張らないといけない」という生粋の浦和育ちのプライドがあった。ユース育ちで、修行を兼ねてJ2にレンタル移籍して、浦和に戻って来て活躍した選手は、残念なことに皆無である。永田拓也選手も濱田水輝選手も浦和のトップチームでは、その才能を開花することが出来なかったのだ。また、J2にレンタル移籍したがそのまま浦和に帰って来ることも出来ずにいたユース出身の選手たちもいたのだ。そんなユース出身選手たちの無念の思いを、岡本選手は背負っているように感じた。

しかし、キャンプ中に岡本選手は、古傷である左肩を負傷してしまった。3月11日に肩を保護するサポーターを着けてやっとチーム合流を果たした。動きに制限がありながらも岡本選手は、遅れを取り戻すかのように練習に食らいついて行った。余りの激しさに、他の選手が「また脱臼するのでは・・・」と心配するほどであった。

また、練習後の居残り練習も日課となっている。岡本選手は「キャンプ中に怪我して出遅れているのが現状。日々、やっていかないとね。1日の練習を思い返した時に、もっと出来たんじゃないか?!って思わないようにやらないとね。細かいところから意識している」と悔いの残らないように日々の練習に取り組み汗をかいていた。

ミニゲームでは、サブ組みながら左のストッパーでプレーする岡本選手の守備は、やはり狼の牙のように鋭いものがあった。岡本選手は「手応えはあるし、ボールを奪うのは自分の持ち味だ」と自信たっぷりに笑い、「攻撃の部分で前に絡む動きやビルドアップでもっとできるんじゃないかと思っている。もっと上手くなりたい」とまたギラギラした目つきになった。

岡本選手がかいた汗は肉となり、心の奥に刻まれた浦和育ちのプライドは屈強な牙となり、狼のごとくピッチを駆け抜ける。

Q. 不整脈が出た場合、どうすれば良いでしょうか?

A. 不整脈の場合、大丈夫な不整脈と危険な不整脈をメディカルチェックによってしっかりと判断して、スポーツに取り組んで欲しいです。スポーツ心臓であれば、問題はないでしょう。基礎疾患があっての不整脈であれば、治療が必要になってきます。メディカルチェックは大切です。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。
http://www.kawakubo-clinic.jp/

 

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