浦和フットボール通信

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【河合貴子の大原なう】鹿島戦に向けて調整中。那須欠場の穴を埋めるのは誰か?(2015/9/23)

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秋の大型連休シルバーウィーク最終日に熱気が籠った練習

天高く爽やかな秋空に恵まれ、トンボが大原の練習場を飛ぶ穏やかな陽気に包まれた9月23日。昨日のファンサービスデーには、サインや写真を求めて約900人のファン・サポーターが来場した。秋の大型連休シルバーウィーク最終日となった今日は、400人を超えるファン・サポーターが見学に訪れ、ピッチに熱い視線を送っていた。

午前10時過ぎからアップが始まり、いつも通りに3グループに分かれて通称“鳥かご”のボール回しが行なわれた。しかし、西川周作選手だけがチームメイトの輪から外れ、軽くランニングを行なった後に、土田ゴールキーパーコーチの下で1対1のGK基本練習を行なう姿があった。

鳥かごのアップでは、槙野智章選手や那須大亮選手などがいるグループが一番明るく、ボールに対する細かい拘りを見せながらも笑顔で雰囲気を盛り上げていた。鳥かごが終わると、フィールドプレーヤーは3~4人1組でショートパスやロングボールなどストレッチを入れながらアップをしていた。GKの福島春樹選手、岩舘直選手、大谷幸輝選手、そして西川選手が揃いGK4人でキーパー練習が始まった。

アップが終わるとミシャ監督から声を掛けられた阿部勇樹選手は、話し込んだ後に別メニューとなり、次節を累積のため出場停止となった那須選手と一緒にコンディション調整を行なった。

アップ後は、ペナルティーエリア外側にゴールを設置して、ハーフコートよりもやや広めのコートを作り、ゴールから20mほどの地点にマーカーを置き、DFラインの基本の高さを意識させて紅白戦が始まった。

長期離脱から復帰したばかりの岩舘直選手は、ゲーム形式に参加するのはまだ無理なようで、ゴールの脇に立ち真剣な表情で紅白戦を見つめていた。基本、GKは西川選手、大谷選手、福島選手の3人がローテーションでビブ組とビブなし組の両方を守る形が取られた。

1本目は、ビブ組がGK西川・大谷・福島、DF宇賀神、槙野、森脇、MF橋本、鈴木、平川、武藤、李、FWズラタン。ビブなし組はGK西川・大谷・福島、DF岡本、永田、加賀、MF茂木、斎藤、柏木、関根、高木、梅崎、FW興梠の組み合わせで対戦した。

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出場停止の那須選手のポジションには槙野選手が起用され、左のストッパーには清水戦でDF力を見せた宇賀神選手が起用された。ミシャ監督から「テンポ!」とパスのリズムを強調する指示が出され「相手からボールを奪ったら、すぐに縦に入れろ!」と攻守の切り替えの早さも要求されていた。

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主導権を握ったのは、ビブなし組であった。ビブ組は、ボールを奪って良い攻撃の形を見せるがタイミングが合わず、ビブなし組は永田充選手からワイドの茂木力也選手へ、茂木選手のクロスを興梠慎三選手がシュートを放つシーンがあった。

また、逆サイドの関根貴大選手から縦のスペースで受けた興梠選手のマイナスのクロスに梅崎司選手が飛び込み、テンポ良くゴールが決まった。また、右のサイドに流れて引き気味で受けた興梠選手が、縦のスペースに走り込んだ梅崎選手へとパスが通り、梅崎選手のクロスを高木選手が豪快なシュートをゴールに叩き込んだ。

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主導権を握られたビブ組は、相手に対する守備の仕方に修正を加え、ボールを奪った後に味方の選手をフリーにする動きを見せていった。

2本目は、前線の3選手をそっくり入れ替えて行なわれた。始まる前にミシャ監督から、パスを出した後に次のサポートが出来る様にサイドチェンジ、ロングボール、縦に入った時のサポートの指示が細かく出されていた。

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3DFの真ん中を初めて任された槙野選手は、攻守に渡りチャレンジの意識を持っているように、DFラインを高く保ち、ボール保持者に対して厳しく行ったり、前に仕掛けてみたりといろんなことを試していた。その分、ボランチの青木拓矢選手や鈴木啓太選手が上手くバランスを取るようにしていたが、ビブなし組の柏木選手が前を向いてプレーし易く、前線の3人が変わっても主導権を握っていたのは、ビブなし組であった。

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武藤選手のクロスを槙野選手がヘディングでクリアするも、流れたボールをズラタン選手が冷静にシュートを決めた。また、茂木選手の動きに釣られて、DF陣が飛び出した所を李選手が無人のゴールへと流しこんだ。

3本目は、関根選手と平川選手、高木選手と武藤選手を入れ替えて行なわれた。ミシャ監督は選手たちに「前へ、前へ、早く!」と檄を飛ばしていた。すると両チームともに一進一退の攻防からゴールが生まれ、激しい攻めぎ合いが見られた。高い位置で青木選手がボールを奪い、興梠選手へ縦パスが入ると興梠選手のシュートがゴール右隅に突き刺さった。

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一方、ビブなし組は、永田選手がインターセプトから持ち上がり、柏木選手に預けてチャンスを作り出すなど面白い展開が見えた。ミシャ監督も手応えを感じたのか、3本目が10分ほど過ぎた所で「ラストゴール」の声を掛けて練習の締めに入った。しかし、「ラストゴール」の声が掛かった途端に、両チームの意地の張り合いを見せて、なかなかゴールが決まらない。徐々に焦りが出てしまいラストパスの精度が悪かったり、タイミングが合わなくなってしまった。

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珍しく、一回止めて給水タイムを取り、再びラストゴールを求めてプレーが再開した。ミシャ監督から「勝手に、止めんな!」と檄が飛ぶ。柏木選手がボールを奪い作りだしたチャンスを混戦からズラタン選手がヘディングシュートを狙うと、西川選手が「入んな!」と気合の声を上げた。梅崎選手のクロスに合わせた鈴木選手のシュートはクロスバーに直撃。両チーム共に決定的なチャンスを生かせず、時間が刻々と過ぎて行く。最後に意地を見せたのは、ビブ組の梅崎選手であった。

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森脇選手、青木選手とパスがテンポ良く周り、左のワイドの橋本選手へと展開すると、橋本選手のクロスを梅崎選手がきっちり合わせて、ラストゴールが決まった。

梅崎選手のラストゴールが決まり、大原の練習場は「ホッと」安堵感に包まれていた。鹿島戦に向かって、槙野選手をセンターに置くなどチャレンジした紅白戦で、熱気を感じられる練習であった。

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