浦和フットボール通信

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興梠「90分で決着がつけば・・・。チャンスはあった。悔しい」 ACLラウンド16 vsFCソウル試合レビュー<李、遠藤、森脇、興梠、西川、駒井コメントあり>

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Report by 河合貴子

勝利のチャンス生かせず、PK戦までもつれた末に、ラウンド16で敗退

浦和よりも涼しく、少し肌寒さを感じる5月25日。ACLラウンド8進出をかけてソウルワールドカップスタジアムでFCソウル戦を迎えた。第1戦をホーム埼玉スタジアムで1-0とソウルを下し、優位な状態でソウルに乗り込んだ浦和であった。更に、多勢に無勢ではあったが、浦和を愛する人々は「PRIDE OF URAWA」をゴール裏に掲げて死力を尽くして闘っていた。

浦和は、第1戦とメンバーと同じであったが、初の全身白のユニホームで勝利を目指しピッチに走って行った。ソウルは、第1戦でアンカーを務めた5番のオスマール・バルバ選手を左のストッパーとして起用してきた。

ソウルのキックオフで始まった試合は、立ち上がりからソウルが主導権を握って来た。

ミシャ監督は「前半は、相手が非常に良い入りをして我々は長いボールを蹴るだけの展開になってしまった」と振り返った。アウェイゴールの1点を浦和が決めようと試みるも、ボールを保持してもシュートまで持ち込めない。

李忠成選手は「シュート撃てば仕留められると言うより、確実にゴールまで持って行けるかだった。後ろの繋ぎでバタバタした」と話していた。

第1戦を落としているソウルは、逆にゴールに向かう積極的な姿勢を見せて行った。

30分、DFラインから攻撃の組み立てをするために、遠藤航選手から森脇良太選手へのパスを11番アドリアーノ選手がパスカットして持ち込み、ショートカウンターからダムヤノビッチ選手選手へ、ダムヤノビッチ選手が冷静にゴールへと流し込んでソウルに先制点を決められてしまった。

パスをインターセプトされてしまった遠藤選手は「プロとしてセンターバックをやって来て、あのようなミスして失点した時もあった。その時は、よりアグレッシブにやっていこうと切り替えてプレーを意識していた。落ちることはなかったし、更に良いプレーをしようと意識した」と失点に絡んだことを気にして落ち込むことなく、気持ちを切り替えて集中力を高めていった。

森脇良太選手は開口一番「今は、冷静に振り返られない」と動揺しながら「前半、相手の圧力で展開されてしまった」と悔しそうに話した。

前半に浦和が放ったシュートは、たったの2本であった。ソウルは8本もシュートを放っていた。

先制された浦和は、アウェイゴールさえ決まれば、例え2点目をソウルに決められても、第1戦との合計で浦和がラウンド8へと進出出来る。アウェイゴールを目指して、後半の最初から武藤雄樹選手に代えてズラタン選手を投入し、前線で溜めを作って展開することを狙っていった。

後半の立ち上がりビックチャンスを作ったのは、ソウルであった。コ・ヨハン選手のロングフードにダムヤノビッチ選手が遠藤選手を振り切り、西川選手と1対1の場面になってしまった。しかし、西川選手が上手く対応してゴールを死守した。

すると50分には、浦和も柏木選手のFKの流れの中からこぼれ球を拾った宇賀神友弥選手がダイレクトシュートを狙うもサイドネット。一進一退の攻防となっていった。

興梠慎三選手は「相手も攻めてスペースがあった。うちもスペースがあって、行ったり来たりだった。お互いに上手く守った。90分で決着がつけば・・・。チャンスはあった。悔しいですね」と話した。

浦和は、62分に関根貴大選手に代えて駒井善成選手を投入。すると、駒井選手がいきなり相手の隙を突いてインターセプトからドリブルで仕掛けていった。だが、ゴールには結び付けることが出来ずにいた。

74分には、宇賀神選手に代えて梅崎司選手を投入し、攻撃を活性化していった。駒井選手は「押されている状況から流れを引き寄せたいと思って仕掛けた」積極的な姿勢を見せていた。

79分、遠藤選手がドリブルで運び梅崎選手、興梠選手と浦和らしいコンビネーションからオーバラップした遠藤選手がシュートを放っていった。

遠藤選手は「フリーでボールを持って、パスコースを消す中で良いコンビネーションからゴールまで行けた。ニアー空いていたかなぁ?DFが2人いた」シュートまでの流れの感触を掴んでいた。

流れは完全に浦和に傾き始めると83分には、梅崎選手のインターセプトからズラタン選手がゴールを狙っていったが決めきることが出来ず、後半終了間際にカウンターからアドリアーノ選手にゴールを狙われるも西川選手がファインセーブ!

結局、0-1で第2戦を落としてしまった。そのため、2試合の合計で1-1となり試合は15分ハーフの延長戦に突入した。

浦和のキックオフで始まった延長戦は、開始4分にカウンターから途中出場したパク・チュヨン選手の折り返しのクロスをアドリアーノ選手に決められ、いきなり苦しい展開になってしまった。

ここから1点を追う浦和の猛攻撃が始まった。13分、ペナルティーアーク付近から森脇選手の縦クロスにズラタン選手が抜け出してシュートを放っていった。ズラタン選手は「相手よりフィジカルが上回っていた。自分たちのパワーを感じた。だが、状況を変えられなかった」と悔しそうに話した。

延長前半、浦和はチャンスを生かし切ることが出来ずに0-1で折り返した。

エンドを変えてすぐに始まった延長後半も浦和の勢いは止まらなかった。槙野選手が逆サイドの駒井選手へとロングフィードで展開すると、駒井選手はヘッドで中に折り返して、飛び込んだ李選手がヘディングシュートを叩き付けて1-1。そして、槙野選手から左サイドに流れたズラタン選手へ、ズラタン選手のクロスをファーサイドに走り込んだ李選手が滑り込んでダイレクトシュートがゴールへと吸い込まれていった。

李選手は「自分がこの試合を決めてやる!と思った。信じていた。もう1点獲れる気がしていた」と強気の魂が籠もったゴールであった。

残り5分、前線のズラタン選手をDFに下げて相手FWにマンマークでソウルのパワープレーに対抗していった。このまま逃げ切ることが出来ると思ったアディショナルタイムに悲劇が起きた。コ・ヨハン選手が右からカットインして放ったミドルシュートが決まり2-2。西川選手は「ブレていたけど手には当てていた。きつい時間で責任を持って止めていかないといけなかった」と悔やんだ。

逃げ切ることが出来ずにPK戦へともつれ込んでいった。

延長でもアウェイゴールが適用されると思ったズラタン選手は「勝ったと思っていた。何が起きたか分からずレフリーに尋ねた。アウェイゴールが無関係だと阿部が教えてくれた」と残念そうに話した。

浦和側のゴールで行われたPK戦は、浦和の先行ではじまった。阿部選手、遠藤選手、ズラタン選手が決めて行く中、ソウルは3人目のオマール・バルバ選手が外した。そして4人目の森脇選手も決め、5人目の西川選手が止められてしまいサドンデスのPKへとなっていった。

西川選手は「止めたかったなぁ。5人目は俺が蹴ると立候補した。自分が決められなかったから負けた。決められなかったけど、次にどうにか出来ると思った。上手くタイミングが合わなかった」と話した。

そして、梅崎選手、李選手とPKを成功させ、7人目のキッカー駒井選手が止められ、ソウルの7人目のキッカーキム・ドンウ選手が冷静に決めて試合終了。

駒井選手は、その場で泣き崩れた。駒井選手は「僕がPKを外してファンを裏切ってしまった。今日の結果は僕のせいだ。ずっとGKに付き合ってもらってPKの練習もやってきた。相手のGKの逆を取れなかった。甘さを実感した。緊張して合わせてしまった」と悔やんでも悔やみきれない様子であった。

PK戦6-7でソウルに敗戦を喫し、浦和のACLが終わりを告げた。

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