浦和フットボール通信

MENU

河合貴子のレッズ魂ここにあり!「苦しみの果てに~石原直樹選手 」

J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

TAK_7969_R

我慢強く過ごした時は無駄では無かったことを必ずピッチで魅せてくれるはずだ

良くも悪くもプロの世界は結果が全てだ。だが、試合に出なければ結果を出すことは出来ない。選手たちは、試合に出るために鎬を削り走り続ける。

「試合に出たい!」「点を獲りたい!」石原直樹選手の心の叫びが、汗となって流れ落ちていく。

浦和の前線は、層が厚いと言っても過言ではない。しかし、層が厚いと言ってもコンビネーションプレーに重点をおく浦和は、リーグ戦では『KLM』と称されるように、興梠慎三選手のワントップ、シャドーに李忠成選手と武藤雄樹選手が定番となっている。

そこに割って入るためには、途中出場でチャンスを物にするか、出場停止、または連戦の中でコンディションや怪我などを考慮するか、代表選手招集中のチャンスだ。

リオデジャネイロオリンピック中は、そのチャンスを見事にモノにしたのは、高木俊幸選手であった。

石原選手は、高木選手の活躍を「刺激になったと言うよりも、チャンスを与えてもらえなかった」と悔しそうに話し「出ている選手を脅かす存在にならないと」と折れそうな心を奮い立たせていた。

全ては、あの怪我からだった。2015年4月12日対川崎戦で相手選手と接触し、右膝前十字靱帯損傷で全治約6ヶ月と診断され長期リハビリを余儀なくされてしまった。広島から移籍して、ゴールゲッターとして期待込めた背番号11番を背負いリーグ開幕戦から3試合スタメンを飾った。新天地に来て、これから波に乗って行く矢先の大怪我であった。

「これだけ長くサッカーが出来なかったのは、人生で初めて」と石原選手は苦笑いしていたが、不安と葛藤しながら、ピッチに戻れることを信じてひたすらリハビリに取り組んでいったのだ。

そして、2015年11月11日天皇杯4回戦、町田セルビア戦でやっと復帰を果たした。ピッチに立てたが、石原選手の持ち味である豊富な運動量や切れのあるドリブル、スピード、視野の広さや的確な判断などは戻っていなかった。それは、当然のことである。あれだけの大きな怪我をすると、頭の中のイメージに身体が付いてこない。

小野伸二選手も山田直輝選手もロブソン・ポンテ選手も大怪我からの復帰した際に、このギャップに苦しんできた。

「今まで出来たのに、何で出来ないんだろう?」大怪我をした選手たちに襲い掛かる大きな心の闇がある。

怪我から復帰した当時、山田直輝選手は「試合に出て、自分を取り戻す」と話していたが、試合に出場出来ない焦りが自分自身への苛立ちになっていたように感じた。大怪我をした選手ならば、誰もが経験する越えなければならないギャップである。

TAK_7807_R

怪我から復帰して石原選手は、新たな気持ちで臨んだ今シーズン。苦しいリハビリ生活から解放はされたが、さらなるギャップの苦しみが待っていた。

石原選手は「もう少し順調に来るかと思ったけど、切れがもう一歩、二歩という感じだ。頭と身体は共有出来ているけどズレる時がある。その差をなくしていきたい。苦しいと言うよりも、もどかしい」と1stステージをもがき苦しみながら過ごし、自分自身のプレーを取り戻すために、あと少しのところまで来ていた。

そして、練習のミニゲームでは、攻守の切り替えも良く主力組を脅かすプレーで、石原選手の本来の力を垣間見れるようになっていた。2ndステージは、10試合連続ベンチ入りをした。しかし柏戦と鹿島戦、甲府戦で途中出場を果たすが短いプレー時間では結果する生み出すことが出来ずにいた。怪我から復帰してこんなに長い期間、試合に出場出来ない経験をしたのは、初めてのことであった。

石原選手は「試合に出ていないと気持ちの部分とコンディションも難しい。自分がどこまで上がってきて、どこまで出来るのか分からない」と正直な心境を話した。どこまで出来るか・・・。そのためには、試合に出場するしかないのだ。試合に出たからには、どんなに出場時間が短かろうが結果を出して石原選手自身が納得出来るプレーで、本来の自分の取り戻すきっかけを作らなければならない。

リーグ戦とYBCルヴァンカップの神戸3連戦を前に、石原選手は「ちょっと連戦だし、代表も抜ける。いつもよりもチャンスが回ってくる。チームとしてのコンセプトや狙いは一緒だ。自分を出し切って上手くコンビネーションを合わせていく」と目を輝かせていた。だが、ベンチ入りはしたものの、アウェイで神戸とのリーグ戦とYBCルヴァンカップ第1戦に出番は回って来なかった。石原選手の胸中を察すると、どんなに無念だったことか・・・。

それでも、石原選手は自分を叱咤して試合に向けて良い準備をし続ける。全ては、怪我する前の自分を取り戻すために。いや、怪我する前よりも強く、激しく、スキルアップしてゴールへと向かう。

大怪我を負った選手の中には、苦しみの果てに挫折していく選手もいる。だが、石原選手は押し寄せてくる苦しみの果てに、ピッチで輝く栄光のゴールが待っている。自分の心と身体と向き合いながら、我慢強く過ごした時は無駄では無かったことを必ずピッチで石原選手は魅せてくれるはずだ。

Q. 待ち時間の改善策は何か施されたのでしょうか。

インターネットと電話から診療予約が取れるようにしました。完全予約ではありませんが、家を出る前に予約をして順番を取って頂けるようになりました。また、診察室を3部屋にしました。処置や検査、小さい腫瘍を切除したり、縫合など外来で出来る小手術の部屋と診察室が2部屋です。バックヤードは、ギブスのセットなど共通の棚が設置されています。また、レントゲン室もバックヤードから行くことが出来て効率的にスタッフが動ける導線が考慮されています。更に診断能力を上げるために、MRIを導入しました。電子カルテで管理されていて、レントゲンやMRIの画像もメールを送るように診察室のパソコンですぐに見ることが出来ます。

IMG_1260_R

川久保整形外科がリニューアル開院しました。平成28年5月6日(金)より新クリニックにて診療を開始しています。MRIなど最新施設を備えて、より良い環境の下での医療とサービスをご提供していきます。http://www.kawakubo-clinic.jp/

川久保整形外科

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。http://www.kawakubo-clinic.jp/

パートナーサイト

ページ先頭へ