浦和フットボール通信

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【レッズ練習レポート】明治大学との練習試合で、柏木がシャドーに入る。

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(Report by 河合貴子)

浦和にとっては、CSに向けて良い練習試合になった

昨夜の雨や明け方の地震とは、うって変わって本当に穏やかな晴天となった11月22日。関東大学サッカーリーグ1部で優勝に輝いた明治大学体育会サッカー部との練習試合が行われた。試合は、45分×4本でお互いに2チームを構成して実質2試合が行われた。

1試合目の浦和は、GK西川、DF槙野、遠藤、森脇、MF宇賀神、阿部、青木、駒井、武藤、柏木、FW興梠のスターティングメンバーで挑んだ。明治大学は、4-4-2のシステムで挑んで来た。

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明治大学のキックオフで始まった試合は、立ち上がりから明治大学が前線からプレスを掛けてDFラインを高くしてコンパクトにして積極的な姿勢を見せて来た。

だが、9分に駒井善成選手のクロスを興梠慎三選手が、トラップから華麗なターンで相手DF陣を交わし、GKの動きをしっかりと見てプロのテクニックを魅せ付けるようなループシュートを決めた。

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さらに12分には、駒井選手のクロスをファーサイドで受けた武藤雄樹選手のドリブルシュートが決まり2-0。

2失点してしまった明治大学であったが、臆すること無くDFラインを高く保ちながらしっかりとボールを繋いで来た。だが、浦和の守備を崩すことは出来なかった。浦和はボールを奪うとゆっくりと回しながら、楔のパスを入れるとそこから素早い展開を魅せた。青木拓矢選手からシャドーのポジションから少し下りてトップ下のような動きを見せた柏木陽介選手へと楔の縦パスが入り、柏木選手のスルーパスに興梠選手が飛び込むもギリギリ触れずシュートまで持ち込めなかった。

しかし、興梠選手の右後方から武藤選手が飛び込みゴールを決めた。さらに、槙野智章選手も積極的にオーバーラップしたり、明治大学の高いDFラインを逆手に取った鋭い攻撃が見られた。

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35分にも、遠藤航選手からの楔のパスを受けた柏木選手からDFラインの裏を突く決定的なパスが興梠選手へと通ったが、興梠選手のシュートは枠を捉えることが出来なかった。決定的なチャンスを決められず気落ちする興梠選手に「慎三!あと、あとだぞ~」と阿部勇樹選手から鼓舞する声が掛かっていた。

前半は、格の違いを魅せ付けるように3-0で折り返した。

しかし、後半は立ち上がりから浦和のミスが目立つようになっていった。51分には、ミスパスから土居選手にシュートを撃たれるシーンもあった。浦和は、インターセプトしても繋げずに直ぐに明治大学に奪い返されてしまい主導権を握られてしまった。

蓄積された疲労からなのか、浦和は運動量も落ちてしまった。だが、鋭いカウンターから興梠選手がシュート!しかし、GK服部選手のファインセーブに阻まれてしまった。

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攻撃のリズムが作れずに苦戦する中、84分に武藤選手とのワンツーでゴール前へと抜け出した柏木選手が放ったシュートは、左ポスト直撃!決めきれなかった。

主導権を握り攻め続けた明治大学は、最後まで諦めずに攻撃的な姿勢を貫いて来た。試合終了間際の90分、丹羽選手がゴール前に切れ込み放ったシュートが決まった。

後半は、明らかに浦和の運動量が落ちてしまい明治大学に主導権を握られる中で、少ない決定機を生かせずにノーゴール。3-1で勝利をしたものの、試合終了間際の失点で後味の悪い試合になってしまった。

2試合目の浦和は、GK岩舘、DF永田、イリッチ、加賀、MF関根、那須、伊藤、平川、高木、石原、FW李。明治大学もメンバーを総入れ替えして挑んで来た。

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明治大学は、1試合目と同じように前線からプレスを掛けてDFラインを高くして来た。浦和は、立ち上がりから攻守の切り替え早い展開を魅せていった。

7分には、高木俊幸選手が放ったシュートが右ポストに直撃!その跳ね返りを李忠成選手が冷静にゴールへと流し込んで浦和が先制!

その後も怪我明けの関根貴大選手が、積極的に左サイドから仕掛けて攻撃のリズムを作り出して行った。

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また、那須大亮選手から「トシ!(高木選手)前に出ろ!嵌めろ!」と檄が飛び、前線から激しくプレスを掛けて行った。

そして、24分には相手陣内でボールを奪い、ショートカウンターで高木選手からのスルーパスに石原直樹選手が抜け出してゴールを決めて2-0と突き放した。

浦和が主導権を握る中で、明治大学も攻勢を仕掛けるがラストパスの精度が悪くシュートまで持ち込めない展開になり、前半を2-0で折り返した。

後半、浦和は永田充選手に代えて、一時帰国して昨日浦和に戻って来たばかりのズラタン選手を投入。それによりズラタン選手のワントップとなり、シャドーは李選手と石原選手、平川選手が左ストッパーを任され、関根選手が右ワイド、高木選手が左ワイドへと大幅にポジションを代えることとなった。

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浦和は、後半の立ち上がりから前線にボールが入らなくなり、入ってもボールの収まりところを明治大学のDF陣に潰されてしまった。

また、サイドチェンジから揺さぶりを掛けるもシュートまで持ち込めない展開になってしまった。しかし57分には、平川選手から逆サイドのバイタルエリアの李選手へと展開し、李選手のマイナスのクロスに石原選手がゴールを狙うも決めきれないでいた。

そして、明治大学の激しい前プレスからDFラインがズルズルと下がり始めると、ペナルティーエリア内で相手を思わず倒してPKを与えしまった。このPKを村田選手が岩舘選手の動きをしっかりと見て逆を突き2-1。

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那須選手から「切り替えろ!次~次!!」と檄が飛んだ。そして浦和は、縦に早い攻撃を魅せていった。

66分には、平川選手からのロングフィードに抜け出した高木選手がシュート気味のクロスをゴール前へと送り込むが、フリーで飛び込んだ李選手にわずかに届かず。

68分には、高木選手のアーリークロスを前線に顔を出した伊藤涼太郎選手が切れ込みシュートを放つも決めきることが出来ず。

70分にもセカンドボールを拾って厚みのある攻撃を魅せるが、ゴール前で身体を張った明治大学の固い守備をこじ開けることが出来なかった。

しかし、81分にエリア内でズラタン選手からパスを受けた石原選手がGKに倒されてPKを獲得。石原選手自らPKのキッカーを務めたが、GKにコースを読まれてしまいPK失敗。浦和は、追加点を上げることが出来なかった。

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そして、80分には浦和のDF陣の意表を突く中村選手の狙いすました見事なロングシュートが弧を描き岩舘選手の頭上を越えてゴールへと吸い込まれて2-2の同点にされてしまった。

試合終了間際には、石原選手が倒されてペナルティーアーク付近で直接FKを獲得。このFKを高木選手が、直接ゴールを狙うもクロスバーに直撃!そして、試合終了の笛が鳴り、2-2の引き分けで終った。

さすが、大学生ナンバーワンに輝いた明治大学だ。2試合とも、退いてゴール前を固めてカウンター狙いで来るのでは無く、浦和相手に自分たちのスタイルを貫き前線からプレスを掛けてDFラインを高く保ちコンパクトにして来た。

浦和にとっては、ゴール前を固めて来るチームよりもチャンピオンシップに向けて良い練習試合になったと思える試合であった。

また、青木選手と阿部選手のダブルボランチで中盤の守備を厚くし、シャドーに入った柏木選手がトップ下のような動きから攻撃を組み立てる姿は、見ていてワクワクするものがあった。

ただ、2試合ともに後半に運動量が落ちたことは否めない。明日はクールダウン、明後日はオフとなる。そして、しっかりとチャンピオンシップに向けて仕上げる準備をしていく。

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