浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「本気で育成を考える~第10回フットボールカンファレンス」後編

J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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元スペイン代表監督、デル・ボスケ氏からのメッセージ

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2日目は、代表とクラブでの育成の取り組みについて、ベルギーとメキシコの代表の取り組みが具体的に講演され、クラブではデュセルドルフとRCDエスパニョールのクラブレベルの取り組みがそれぞれ講演された。そして、日本のクラブからはセレッソ大阪と柏の取り組みを聞くことが出来た。

3日目は、銀河系軍団と言われたレアル・マドリードを率い、元スペイン代表監督のビンセンテ・デル・ボスケ氏の話や日本の将来に向けて高校、中学、サッカー少年団、G大阪ジュニアユース監督などそれぞれの立場からの育成が熱く語られていた。

ベルギーサッカー協会のクリス・ファン・ピューベルデ氏の話では、勝ちたいと思う常勝心が大切で、先に行くにはビジョンが必要であることが語られた。

「ボールを持ちすぎるポゼッションに集中しすぎてはダメだ。切り替えの早さが重要で、5秒以内でボールを取り返せ。ピッチではトライアングルが2つで、止まっていてはダイナミックなプレーが出来ない。3つ目、4つ目の選択肢を持ち、状況を考えてサッカーをしないといけない。ちょっと動けばトライアングルになる。コミュニケーション、タイミング、視野が生まれる。複雑に考えてはいけない」と具体的な例をあげて説明された。

さらにディスカションでは「バルサのコピーをしてもダメ。良い指導者は、発明することが出来るフィロソフィーを持っている。他から情報を得ることも大事だが、自分のチームのことを考える。コピーではダメだ。ちょっとの差は、日常を変えないと無理だ」と語った。もの凄く説得力があった。

ビンセンテ・デル・ボスケ氏は、1つのチームを作り上げるには「人間として若者を育てる。そのあとにスポーツ選手として育てる。フットボールしか知らなかったら道に迷う!」と話して、秩序と選手のタレント性をあげて人間関係が重要で、困難な状況での対応でチームスピリットと個々の融合を成功の鍵だと力説した。

そして「人間としてプレーヤーは、寛容性が大事だ。勝つことと敗北を受け入れないといけない。また、プレーヤーはベテランからの影響がある。行動は言葉より勝り、模範の姿が如何に大事か。ベテランは、プレーヤーとして何をしなければいけないかを教えてくれる。フィジカルやテクニックも大事だけど、良いプレーをして勝ちたいと言うパッションだ。フットボールに対する情熱が違いを見いだす」と切々と語った。今の浦和に欠けているものがその話の中にあるように感じた。

育成に関しては、Jリーグクラブによって方向性や取り組み方は様々である。FC東京は、大学との連携を大事にして、ユースから大学に預けて戻してもらう取り組みと共にトップチームに如何に繋げるかを第1に考えてJ3に参戦し活躍すればJ1の試合に出場出来る流れを作った。

試合経験を積み育成のスピードを上げていた。G大阪は、クラブの長所を生かしてアカデミーをトップに繋げ、レンタル移籍させても1年間追いかけて観ることが出来ないので、身近に置いて課題に取り組む環境を日常的に作っていた。

育成部門を切り離して別会社として運営しているC大阪は、選手の成長を第一に考え「プレーヤーズファースト」を掲げた取り組みを行っていた。

誰もが栄光を掴み獲りたい、追いつけ追い越せの世界である。フットボールカンファレンスの3日間でいろんな方から話しを聞き、考えさせられる中で、浦和の置かれている現状はトップチームでありながらも育成半ばであると言うことであった。

「ちょっとの差は、日常を変えないと無理だ」「フィジカルやテクニックも大事だけど、良いプレーをして勝ちたいというパッションだ。フットボールに対する情熱が違いを見いだす」この言葉が深く胸に突き刺さった。トップが変われば、それを観ている子供たちの意識も変わる。そこに浦和の未来があるように思う。

Q. 疲労を溜めないためのストレッチを教えてください。

A. ストレッチには、静的と動的があります。例えば、運動前に行うストレッチは筋肉を起こしてあげて怪我の予防になります。しかし、運動前に静的なストレッチを行うと筋肉がダランとしてパフォーマンスが上がらなくなります。運動直前のストレッチは動的ストレッチ、運動直後のストレッチは筋肉をほぐして緩める静的なストレッチで疲労を溜めないようにしましょう。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。

川久保整形外科がリニューアル開院しました。平成28年5月6日(金)より新クリニックにて診療を開始しています。MRIなど最新施設を備えて、より良い環境の下での医療とサービスをご提供していきます。http://www.kawakubo-clinic.jp/

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