浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「アスリートとしての波に乗れ!~李忠成選手」

J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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「自分の中では、全てが整って来た。後は、パフォーマンスで魅せるだけだ」

沖縄2次キャンプから、さいたまシティーカップ・ソウル戦、ゼロックス杯・鹿島戦、ACL・アウェイのシドニー戦、Jリーグ開幕となる横浜FM戦と浦和は休むことなく連戦を闘い抜いていく。

Jリーグ開幕戦で一息つけるかと思えば、すぐにACL・FCソウル戦がホームで控え、C大阪戦まで連戦が続く。

ペトロビッチ監督は「沖縄キャンプで連戦を闘い抜く力を付けて来た」と豪語していたが、ACLの初戦で時差は、さほどないとは言え、約10時間を越える長距離移動は選手たちにとって負担となるのは否めない。疲労が溜まる中で、ベストなコンディションを保っている選手がいた。李忠成選手だ。

ゼロックス杯・鹿島戦では、李選手は先発で出場するも前線にボールが収まらずにイメージするようなプレーが出来ずに、ハーフタイムに興梠慎三選手と交代。試合後に「ボールが入って来ない。ビルドアップのところでボールを引き出そうとしたが、スペースも無く、45分終わった」と悔しそうに話していたのだ。

「コンディションは悪くない。良いですよ。ゼロックス杯での不安要素は、コンディションが良いのに、ポジティブな結果が出なかったことだ。それが、問題点だった。自分を信じれば結果は出る」と李選手は、自分を奮い立たせるようにACL・アウェイのシドニー戦に挑んだ。

そして、チームはACLの初戦をアウェイで4-0と快勝し白星発進することが出来たのだ。その勝利に一役買っていたのは、間違いなく李選手だ。

李選手は「自分たちのサッカーをやり続ければ物に出来ると思っていた。だが、簡単に失点したらまずいなという思いはあった。失点が先行しないように良い流れで来ていた」と振り返り、1ゴール1アシストでMVPに輝いたことを「相性が良いんでね」と照れ笑いした。

「慎三とは、お互いに分かり合っているしね。慎三のスピードを生かしたパスだったし、慎三も信じて猛スピードで走ってくれた。ゴールは、良く獲れましたね。股狙って。やっぱり点が獲れると良いね」と嬉しそうであった。

攻めても、攻めてもなかなかゴールが決まらない前半、攻め疲れするのではないかと思われた後半11分、李選手がドリブルで溜めを作り興梠慎三選手のゴールが生まれた。この先制点で、浦和は重圧から解き放たれた。

そして、その2分後に畳み掛けるような李選手のゴールが生まれたのだ。サッカー選手として、チームを勝利に導く結果を残せたことに安堵する表情を李選手は浮かべていた。

だが、これで終わりではない。浦和に来て紆余曲折しながら、浦和を愛することでやっと李選手らしい輝きをピッチで放ち始めたのは、2シーズン目の終わりころの天皇杯からであった。

3シーズン目となる昨シーズンは、安定感のあるプレーを魅せていた。今年は、さらにステップアップしたところを魅せたい。

李選手は「プレミアリーグのサウサンプトンでの経験で人生観が変わった」と途中FC東京へとレンタル移籍をしたが、約1年半過ごしたイングランドでスタジアムと街にサッカーが根付いていることを肌で感じることで影響を受けていたのだ。

「サッカー選手が持つ力は素晴らしい物があることを海外で感じた。今までは自分のためにやっていたが、人のためにサッカーをやる要素が大きくなったのは、海外に行ってからだ。勇気とか夢とか与えるって漠然とした物は、海外に行く前からあったが、与える影響ってこういうことだなって海外に行って分かった。アスリートって、形にない物を形にして行く。それが、一流の選手。ピッチの中でも外でも何かしらの影響を与える選手になりたいと思って浦和に来たんだ」と2014年にサウサンプトンFCから浦和へと移籍してきた当初のことを思い出すように話した。

浦和にも古くからのサッカー文化があり、スタジアムと街は独特な雰囲気がある。李選手は、浦和を愛する人々のために形にない物を優勝という形に変えていく。

「自分の中では、全てが整って来た。後は、パフォーマンスで魅せるだけだ」と意気込み「今シーズンは、10得点、10アシストだ!」と浦和を優勝へと導くために個人の目標を設定した。

コンビネーションプレーならば、阿吽の呼吸が既に出来上がっている。厳しい日程の中でも、コンディションも今まで以上に良い状態だ。

ACL・アウェイのシドニー戦で1ゴール1アシストを決めてメンタル的にも充実してJリーグ開幕戦を迎えられる。このまま、アスリートとして波に乗って行きたいところだ。

さあ、頂点へと登りつめる闘いが始まる。李選手は、結果を追い求めて闘って行く。

Q. オフ明けに多い怪我にどんなものがありますか?

A. 正月休みや春休み明けとか節目で学生は、いろいろと怪我が多くなります。休んだあとに走り込みなど基礎トレーニングから始めます。たとえば、ランナー膝と言って膝の外側の腸脛靭帯が痛くなります。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。

川久保整形外科がリニューアル開院しました。平成28年5月6日(金)より新クリニックにて診療を開始しています。MRIなど最新施設を備えて、より良い環境の下での医療とサービスをご提供していきます。http://www.kawakubo-clinic.jp/

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