武藤雄樹が悪い周期を打破して、再び代表入りを狙う【河合貴子のレッズ魂ここにあり!】
J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。
宇賀神の代表入りに刺激を受ける
「浦和で結果を出せば、僕だって代表だ!!」
武藤雄樹選手、日本代表復帰を狙う。「自分は、日本代表に入りたいという目標を持っている」と闘志を燃やし続けているのは、武藤選手であった。
武藤選手が日本代表に初招集されたのは、2015年7月に中国で開催された東アジアカップであった。そして、代表デビュー戦となった対北朝鮮で開始早々に先制ゴールを決めて存在感を見せつけ、続く中国戦でもゴールを決めたのだ。強烈な印象付ける日本代表デビューを飾った武藤選手であったが、海外組の選手たちからポジションを奪うことができず、残念ながら代表から遠ざかってしまった。
今回のワールドカップアジア最終予選で、宇賀神友弥選手が招集されたこともかなり刺激になっていたようで、「僕は、2試合出た。僕の方が上だ」と冗談を言いながらも代表への執着心を垣間見せたのだ。
そして、武藤選手は「自分が代表で出るとしたら、インサイドハーフ。東アジアカップで一緒にやった倉田選手もそこから代表に定着しつつある。だから負けたくない。ハリル監督のウイングは、早い選手やドリブルで運べる選手が選ばれている。真ん中で攻守に動き回って、ボールを引き出しながら裏へ飛び込んでいくのは、浦和でもやっている部分なので(インサイドハーフ)そっちの方がイメージしやすいと思う。代表は、選手が誰でも夢を見る場所だし、僕も目標としている場所だ」と日本代表でのプレーするイメージを膨らませていた。
しかし、現状のままでは日本代表からお呼びが掛からない。武藤選手はそんな現状をしっかりと認識して「ただ、今のプレーやJリーグの結果では、選ばれない。もっともっと、ハリル監督が呼びたいと思わせるような結果を出さないと・・・。「もっと点を獲れ」って結果に対して強く言われた。他の選手に負けているようでは・・・。海外組もいるし、代表には呼ばれない。浦和でやっぱり結果を出さないといけない」とゴールに対する拘りを見せたのだ。
ゴール数という結果は、目に見えて明らかである。今シーズン、武藤選手はここまでACLとリーグ戦20試合出場し、5ゴール(ACL1点、リーグ戦4点)決めている。昨シーズンは、ACLとリーグ戦40試合出場して、15ゴール(ACL3点、リーグ戦12点)であった。
ただ、昨シーズンは5月の中旬から7月の中旬の約2ヶ月間もゴールを決めることができず苦しんだのだ。
今シーズン、武藤選手が最後に決めたのは、5月14日の新潟戦であった。また、ACLの済州戦の疲労から武藤選手は柏戦はベンチスタートとなっている。ひょっとしたら、この時期は武藤選手にとってコンディションを整えるのに悪い周期になっているのかも知れない。
俗に言う「スランプ」ではない。ただ、シーズン初めからのハードスケジュールで蓄積された疲労が抜けきれず、身体が重く判断力が低下してしまう時期なのだ。上手くコンディションを整えて1ゴールを獲れれば、気持ち的にも波に乗れるはずだ。
そんな悪い周期を打破するように武藤選手は「浦和の前線は、みんな良い選手なので、その中で争いに勝って試合に出続けることが一番の自信になる。ラファにも興梠さんにも負けない。全員がライバルだ!」と意気込んだ。
そして、「自分の良さは運動量だ。守備に対してしっかり走りきれる。夏場、暑くなって疲れてくると攻守の切り替えだったり遅くなるとカウンターを受けやすくなる。少しでも後ろを助けたいと思う。守備をしながらゴールを決められるのが自分の良さだ。守備だけでなく、ゴールに拘りを持ちながら攻守に貢献したい。(攻撃面では)裏を取っていくことが一番大事だ。
コンビネーションサッカーは、うちの良さでもあるが、足下、足下では相手も読みやすいですし、そこで獲られてカウンターが多くなる。僕が、ドンドン走って裏に抜けることで他の選手がスペースを使ったりすればコンビネーションが生きてくる。味方に生かされて僕もサッカーをやっているし、それがチームだ。
僕は、1人で3~4人抜けるような選手ではない。味方を生かしながら、良いパスをもらえるように動くことが僕の武器だ。お互いのことを良く見ながらなら、フリックとか入るし、あまり開き過ぎず、下がり過ぎずにポジションを取りたい」と目を輝かせて話した。
武藤選手は、豊富な運動量で味方を助け、自分を生かし、そしてゴールに直結するパスを引き出してゴールを目指すプレーを武器に、浦和で結果を残して日本代表復帰を狙っていたのだ。その強い気持ちで、武藤選手はゴールを量産して日本代表へと再び登りつめるだろう。
得意な走り込みからダイレクトシュートでスタジアムを湧かせて、浦和の背番号9が輝く!!
Q. 内転筋について詳しく教えてください。
A. 太腿の骨の先は丸くなっていて、骨盤のカップのようなところにカッパと嵌まる構造になっています。股関節は、体重を支えるのに大切です。動かさないといけないし、動き過ぎてもいけません。その周りに腸腰筋や恥骨筋、内転筋があります。内転筋は、恥骨から伸びていて股の開閉動作や捻る動作など、ダッシュやボールを蹴るなどで使う筋肉です。長内転筋と恥骨筋の間にあるのが短内転筋です。大内転筋は、内転筋のなかでも一番大きい筋肉で骨盤を安定させています。
川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。
川久保整形外科がリニューアル開院しました。平成28年5月6日(金)より新クリニックにて診療を開始しています。MRIなど最新施設を備えて、より良い環境の下での医療とサービスをご提供していきます。http://www.kawakubo-clinic.jp/