浦和フットボール通信

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4年ぶりの埼スタのピッチに 山田直輝がピッチで示すべきだと思っていること【河合貴子のレッズ魂ここにあり!】

J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

4年ぶりの埼玉スタジアムのピッチを踏みしめて・・・

「浦和を勝たせるため、優勝させるために戻って来た!」と固い決意のもとで、3年間お世話になった湘南を離れて、生まれ育った街の浦和へと戻ってきた山田直輝選手。

ケガの影響で出遅れた山田選手であったが、3月18日のホーム埼玉スタジアムで開催された横浜FM戦が復帰戦となった。しかし結果は、0-1と惜敗。敗戦の責任を感じて「今日は、全然ダメだった。気持ちと結果だけは、どうしても持っていきたかった」とじくじたる思いに駆られていた。

リーグ初勝利を目指し、1ゴールが勝負の明暗を分けることになりそうな緊迫した横浜FM戦のピッチに、赤いユニフォームの背番号18番の山田選手が63分に送り込まれた。

山田選手は「ピッチに入る時よりも、「行きそうだから、準備しろ」と言われた時は、やっと来たかと込み上げてくるものがあった。でも、それよりもチームを勝たせたい気持ちが強かった。どうにかしてチームで点を獲りたい気持ちだった」と話しながらも「1点が欲しい時間帯だったが、それよりも押し込まれていたので失点しないように守備のことだけ考えて入った。僕が入った時は0-0で、そこから0-1で負けた。すごく責任は感じている」と浦和の選手として4年ぶりとなる埼玉スタジアムで、屈辱を味わうことになってしまったのだ。

チームを勝たせたいと、はやる気持ちをおさえながら守備の意識を高くもって山田選手はピッチに入った。長澤和輝選手に代わり右の2列目に投入され「堀さんから、左の山中選手が走ったとこについて行けなくなってきていると言われたので、ついていく守備を意識した。それでもうまくいかなかったら、ポジションチェンジすると言われた。思ったより、オープンな展開になっていて、自分がファーストプレスだったり、プレスバックができる距離感なのかなと思っていたが、難しかった。中に入って「もっとコンパクトにしてやろう」って声を掛けていたが、うまくいかなかった」と悔しそうに話した。

それでも、73分にはペナルティーエリアの右角付近でボールをキープして、柏木陽介選手に預けて、足を止めることなくDFの裏を突く飛び出しを魅せた。ボールのタイミングが合わなかったが、いかにも山田選手らしいプレーであった。さらに、ポジションをボランチへと代えてからは、攻撃のリズムを作ろうと奮闘したが思ったようにプレーはできなかったのだ。

「攻撃面では、もっともっとボールを触りたかった。触る回数が少なくて、もっと攻撃的なパスを出したかった。守備の距離感が良くなかったから、奪ったあとの攻撃の距離感が悪かった」と歯がゆさを感じていた。攻守のバランスが悪く、試合の流れを引き寄せることができなかった悔しさだけが募る。

ケガで出遅れ、復帰を目指して観客席から試合を見て、山田選手はイメージを膨らませてきていた。「自分が出たらというイメージをしていた」と笑顔を見せて「ACLで優勝した時の雰囲気も浦和だし、ルヴァンのガンバ戦のような試合をして大ブーイングされるのもこれも浦和だなと僕は1人で感じていた。これが『THIS IS URAWA』だ」と埼玉スタジアムの雰囲気をかみ締めていた。

そして、ブーイングで包まれるスタジアムの雰囲気を一掃するために「まずは、僕は守備からしっかりとやらないといけないと思っている。そこを僕がどう変えていけるかだ。根本的にボールにプレッシャーが掛かっていないと、何も始まらないと思う。後ろが、前が、というよりもボールを獲られた時だ。戦術というよりも、個人がやらないといけないことなのかな。カテゴリーはJ2だったが、僕が学んできた良いことはこのチームに落とし込んでいきたい。自分たちの良さとプラス、改善しないといけないところだ」と厳しい口調で話した。

ファーストディフェンスは、ボールを失ったところから始まる。その鋭い攻守の切り替えが、何よりも今の浦和に必要だと山田選手は感じていたのだ。しかし、復帰戦となった横浜FMのピッチでは、結果を出すことができなかった。

リーグ戦が開幕してから2分け2敗で17位と低迷し、シーズン前に掲げた「リーグ優勝」「ACL出場権獲得」とは遙かにかけ離れたスタートになってしまった。

横浜FM戦での敗戦を受け止めて山田選手は「僕は、サッカーの根本の部分の攻守の切り替えだったり、球際だったりが、徹底できていないと思う。自分の身体で、プレーでしっかりと示して、自分のやれることをしっかりとやるだけだ」と断言した。

代表ウィークで中断される2週間にチームの再生がかかる。攻守の切り替えが早く、球際に厳しく、闘う集団へと山田選手は、浦和の起爆剤となってくれるだろう。4年ぶりの埼玉スタジアムで味わった屈辱をかみ締めながら、自らを奮い立たせていく。

Q. GK特有の他の怪我はありますか?

A. 動作によって怪我の仕方が違ってきます。例えば、セービングをして地面に手をついて骨折をすることもあります。あと、横に飛んでセービングをした時に股関節の打撲したりします。股関節の打撲で、内出血して大きなアザができたりします。また、フィールドプレーヤーは前十字靱帯損傷したりしますが、GKで多いのは後十字靱帯損傷です。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。
川久保整形外科 http://www.kawakubo-clinic.jp/

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