浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「生真面目で苦労人ランコ・デスポトビッチ」(7/8)

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

生真面目で苦労人ランコ・デスポトビッチ

スペイン2部リーグジローナから、セルビア国籍のランコ・デスポトビッチ(28歳)が浦和にやって来た。デスポトビッチ選手の経歴をみると、2000年、17歳でユーゴスラビア2部のFKロズニカでデビューを果たし、そこで3年間プレーをした後、03年より、セルビア・モンテンネグロのトップリーグFKヴォイヴォディナに移籍。移籍した1年目はシーズン途中で期限付き移籍をするものの、04年より08年の1月までFKヴォイヴォディナでプレーをした。06年シーズンは24試合出場して実に17ゴールを決めている。08年に僅か半年しか在籍しなかったルーマニアのラピド・ブクレシュティでは8試合出場し、4ゴール決めている。07年にはセルビア代表クレメンテ監督からセルビア代表に抜擢され、08年にはクレメンテ監督が就任したスペインリーグ2部のレアル・ムルシアに加入。その後、サラマンカにレンタル移籍を経て、昨シーズンはジローナに所属して、34試合18ゴールをあげている。

経歴だけをみると、浦和で8チーム目となる移籍である。デスポトビッチ選手の得点能力を期待されての移籍であることが感じられる。入団記者会見で記者から「何ゴール決めたいですか?目標の数字を教えて下さい」と言う質問に対し「数はバカバカしい、良いチーム作りをしていれば、数字よりも大きな数字が上回る。必ず沢山のゴールが決められると思うし、信じて行きたい」と答えた。数々のチームを渡り歩いた苦労人だけあって、個人技でなく、ゴールに結びつくコンビネーションプレーの大切さを知っているのだ。一番大切な事は、浦和に馴染み、身長185㎝の恵まれた体格を生かし、ゴール前でパワフルなプレーと巧みなポジショニングでチームに貢献出来るかである。

セルビア語はもちろんであるが、スペイン語と英語も話せるデスポトビッチ選手は、すでにスピラノビッチ選手とは英語で、エスクデロ選手とはスペイン語でコミュニケーションをとっている。コミュニケーションはサッカーをする上では大切である。アイコンタクト、ボディーランゲージでも出来るが、言葉は重要である。デスポトビッチ選手は「3カ月後には日本語が話せる様になるかもしれない」と笑った。好きな日本食は「すき焼き」でお箸も使えるそうだ。

「記者会見やピッチで常に真面目。自分の事を出来る限り追求していく」と言うぐらいで、柱谷GMと食事にいった際もビールは飲まず、珈琲もカフェインが入っているからと口にしなかった程である。

7月7日筑波大学とのトレーニングマッチに前半だけであるが4-2-3-1のワントップで出場した。デスポトビッチ選手は、コンディションはまだ75%だそうだが、前半26分にはGK山岸選手からのロングフィードを相手DFがミスした所を拾い、相手GKが思わずファンブルしてしまうほどの強烈な右足シュートを魅せつけた。前半28分には右サイドをオーバーラップして来たDF宇賀神選手のクロスをエリア中央で頭で合わせるも、ヘディングシュートはゴール上に外れてしまった。デスポトビッチ選手は「上手く当てこむ事が出来なくて、もう少し下に叩き込めばミート出来た」と悔しがったが、手応えを感じた様で「初めての試合で動き出しが良かった。スペースを抜ける分、入る所があるし、良い走りが出来る。スピードを生かしチャンスも生まれる」と話した。

コンディションも上がれば、登録の問題もあり7月15日の磐田戦がデスポトビッチ選手のJデビュー戦になるだろう。「サポーターのために、自分が出来る限り、持っている力を全て呼吸が切れるまで見せる。彼らが僕に力をくれる。そこから生まれる物がある」とデスポトビッチ選手は話す。デスポトビッチ選手の第一印象は「真面目な苦労人」である。真面目な苦労人がチームが勝つために自分の持てる力を全て出しつくしてくれると確信した。

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