浦和フットボール通信

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【This Week】週刊フットボールトークVol.77(2/29)

椛沢佑一(浦和フットボール通信編集長)× 豊田充穂 (コピーライター)

椛沢:明日3月1日、浦和の街で発行されるフリーマガジン『浦和フットボール通信』Vol.45を前に、ミシャ・ペトロヴィッチ監督のインタビューを公開させて頂きました。このクラブを応援するサポーター、街の想いというものを伝えながら、ミシャにはピッチで展開するサッカーだけではなく、思想的なものもお伺いをしました。彼が広島で創り上げた、地元広島の才能を伸ばし、チームを成長させていくという姿を是非、浦和でも実現していってもらいたいです。浦和においては、更に結果というものが他のクラブよりもより求められる部分ですから、そこはクラブが後方支援を行いながら、支えていく部分なのかと思います。

豊田:いつもながらのことですが、今季も世のサッカーファンの浦和に対する関心は大きいものがあります。開幕準備に忙殺されるミシャ監督に対する我々のインタビュー時間は限られたものでしたが、「ホームタウンと手を携えたクラブ強化」という部分はミシャにとってもテーマなのでしょうね。URAWAを拠点として指揮を執ることへの思い入れ部分を詳細に語ってくれたし、彼の右腕と言われるトランスレータの杉浦大輔コーチも熱の入った同時通訳でかなり突っ込んだ部分まで本誌メッセージを監督に伝えてくれたと思います。他誌の取材とは異なるアングルから今季のレッズの取り組みを聞きだすことができたのではないでしょうか。ただ、編集長いうところのクラブの支援体制については、個人的にはまだ道半ばでしょうね。これから徐々に彼のイズムを吸収し、浦和レッズというクラブ全体で、さらにはクラブを支える私たちも含めて“新指揮官のフィルターを通したWe are Reds”を表現していかなくてはなりません。

椛沢:先日の「Talk on Together」では、橋本代表、山道強化本部長、ミシャ監督が登壇し、サポーターの前で考えを述べました。ミシャ監督の思想、考えというものは良く分かる会になり、クラブ側も「チームの再生が最重要と考えて資金を投入した」と、チームを支えていくという姿勢は見えた会だったかと思います。加えて、橋本代表から発せられたクラブの「地域、ファン、サポーターとの絆を創る」「20周年の折に原点に戻って、経過点と捉えてこれからのレッズを築く運営をしていく」「2012、13、14年の3年の中期計画を作った」というメッセージも発せられましたが、これについては若干説明不足というか、もう少し具体的なメッセージを提示してもらいたかったというのが正直な感想です。

豊田:その部分はホームタウンからレッズを見守ってきた支持者には共通する印象でしょう。 「Talk on Together」において、明確にGMを通じての監督就任までの経緯を説明し、レッズランド完成への年次計画を明言した塚本体制下の発表と比較してどうか? 個々のクラブスタッフまでがホームタウンと膝を突き合わせての交流に務めることを約束し、レッズレディース創設を既成事実として告知した犬飼体制下の宣言と比較してどうか? そういう疑問符は残ります。見ての通り、これら歴代トップの宣言は往々にして監督が口にする新戦術や補強選手の特性とかとは別次元の内容なんです。ところがこういう幹部発の具体的改革が発せられた折には、ピッチ上のレッズイレブンの成果が確かな上昇曲線を描くわけですね(笑)。こういう変化の経験値は記憶のどこかに留めて行きたいと思います。その意味から言えば、橋本代表の口から枠組みだけであろうと年次計画が口にされたことは前向きに捉えたい。計画の中身については以後も私たちが能動的に動いて突き止め、クラブと共有する努力を続けていければと思います。

椛沢:クラブ経営とピッチのパフォーマンスが相互作用することは過去の経験から間違いないことだと思います。その行動の一環とも言えるのですが、『タウンミーティング』という形式で、浦和の街で浦和レッズとファン・サポーター、街の人々の膝を付けあわせて、共に前進していこうというイベントを継続的に開催していくことになりました。第1回は、Jリーグ開幕を直前に橋本代表をお呼びして、2012年の浦和レッズ、今後レッズが目指していく道についてお聞きしながら、皆さんと交流を図る機会を作れたらと思っております。「Talk on Together」では伝えきれなかった部分など、クラブの考え、思いも共有しながら、これからの浦和レッズを皆さんと考えていきたいと思います。

豊田:これについては椛沢編集長にねぎらいの言葉をお送りしたいです。創刊から苦節4年あまり、ようやく浦和レッズ代表と膝を交えてのお話ができる舞台にたどり着きましたね?

椛沢:昨年から感じていたことでもあり、最終戦、試合後の出来事もあり、これは媒体として接着剤になれる役割があるのではないかと考えていました。クラブ側と調整を行い、お互いが膝を付けあわす会として実現できることになりました。現代表が我々のメディアの前に登場するのは初めてですね。ぜひ、皆さんお時間が合えば奮ってご参加ください。

先週から募集しております。あなたが考える“浦和らしさ”とは、という質問についてですが、まだまだ募集をしております。クラブ側からも浦和の原点に帰るという発信がありましたが、まず、それは何かを皆で共有していかなければならないテーマかと思います。皆さん様子を見ているところもあるようですので(笑)まず豊田さんにお聞きしたいのは、“浦和のサッカー”からイメージするサッカーは、何でしょうか?

豊田:「人を育て、街を創るサッカー」ですね。地元のサッカー史上を見ても、現在のURAWAの地元育成に携わっている指導者や父兄たちの姿勢やコメントを見聞きしていても、このスポーツを通じての志向は一貫しています。ですが、こういう理想はそもそも創設直後から掲げられている“Jリーグ理念”そのものだし、海外の歴史あるクラブでも継承されている方針のはずなんですよ。先のインタビューで大住良之さんも強調していましたが、この理想に沿ったJクラブの運営が広く徹底していない、ホームタウンの自治体の動きも停滞しているような現実があったとしたら、それは残念なことと思いますね。レッズの成績が停滞するとすぐに痺れをきらして「勝つこと」を要求し、「監督交代」「選手の補強」ばかりを叫ぶ一部サポーターの声に私が違和感を感じるのはこのような理由によるものです。

椛沢:なるほど。サッカーの街URAWAとしては外せない要素でもあり、それはフットボールの世界では当たり前のことなのかもしれませんね。その辺りも来週のタウンミーティングでは、橋本代表にお話する機会になれば良いと思っております。下記、参加募集ページよりご応募ください。

■タウンミーティング第1回開催 参加募集開始!

サポーターズサロン「あなたが考える”浦和らしさ”とは?」

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