浦和フットボール通信

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【This Week】週刊フットボールトークVol.82(4/6)

椛沢佑一(浦和フットボール通信編集長)× 豊田充穂 (コピーライター)

椛沢:先週末は、川崎フロンターレ戦、そして今週水曜日にはナビスコカップ・ジュビロ磐田戦が行われました。川崎戦は、試合前から、強風で交通機関に乱れがある中で、4月とは思えない寒さでしたが、白熱した試合となりました。阿部、槙野の守備の要である2人の退場者を出して9人になったものの気迫の守りで、引き分けに持ち込みました。梅崎の突破から低いクロスをニアであわせたポポが決めるという、非常に良い形からの先制点を奪いましたが、点を奪うと守りの意識が働き過ぎてしまい、ラインが下がりすぎてしまって、川崎に押し込まれる展開になってしまったのはここ数試合にも見られる課題かと思います。これによって自ら苦しい展開にしてしまった感はあります。続くナビスコカップの磐田戦は、久しぶりにサッカー専用のヤマハスタジアムでの試合となりました。永田以外のメンバーを総入れ替えした中での試合だったこともあり、全体的に不安定な部分が出てしまい4失点を食らってしまいました。失点の部分で、集中力を欠いて、相手のマークを完全に外してしまったプレーは頂けない。これは反省をして次に繋げなければならないと思います。決勝点を与えてしまった野田のプレーも判断ミスと言えると思いますが、これもメンバーを代えた中では致し方ない部分もあったかと思います。逆に3得点を奪った形は、どれも狙い通りのものが出てきていて、最後まであきらめない姿勢も今後に繋がっていくポジティブ要素だったかと思います。

豊田:川崎戦は冷たい豪雨と強風の中の試合で、スタンド観戦も相当に厳しいコンディションでした。キックオフ90分前くらいからが風と雨のピークでカサも差せない状態になった。浦和美園駅から徒歩で来場した人たちは大半が靴も服もズブ濡れだったはずです。横なぐりの雨で、埼玉スタジアムは私が着席したルーフ真下の席も雨の飛沫が降り注ぐ天候でしたね。そんな環境下でも9人メンバーで勝点をもぎとったイレブンと、「WE ARE REDS」で後押しした客席には一体感がありました。

椛沢:9人になってから、スタジアム全体から発せられた「WE ARE REDS」の大合唱の中での気迫の守備は、浦和が一体になって戦っている光景でしたね。選手達にもその声は聞こえていたようです。その中で守りきれたということは、今後に繋がる大きな成果だったと思います。開幕から約1ヶ月が過ぎたところで、密着取材をする河合貴子さんに、レッズの現状、ミシャの下、レッズがどのような進歩をしているのかお聞きしましたので、VIPインタビューのコーナーでお楽しみください。

豊田:ところで川崎戦当日は折からの悪天候の中、浦和美園駅から埼スタに向かう歩行者専用道路の入り口付近で、木村元彦さんの最新作『争うは本意ならねど』(集英社インターナショナル刊)の紹介と販売が行なわれました。

椛沢:以前もご紹介があった元フロンターレのストライカー、我那覇和樹選手(現JFL・FC琉球)のドーピング冤罪を追ったドキュメント作品ですね。疑惑を晴らすまで周囲で彼を支えた人々を追った著作なのですが、冤罪への切り札となる医師が浦和レッズのメディカルディレクター・仁賀定雄さん(川久保医院・スポーツ医学センター長)。我那覇選手と彼の母親の心の支えとなる手紙を書いたファンが、埼玉スタジアムで川崎時代の彼のプレーに魅せられた沖縄出身のレッズサポーター。このような内容展開から一部レッズ支持者の間でも大きな話題となっています。

豊田:この企画を実行したのが我那覇選手を支援する「ちんすこう募金」を主宰している新城正樹さん。遠路沖縄から埼玉スタジアムに来られ、私たちレッズサポーターに向けて我那覇選手の冤罪と仁賀ドクターの勇気ある行動を告知してくれました。編集長にはおなじみと思いますが、かの「染太郎」さんで自腹で制作したという横断幕がびしょ濡れになりながらも確かなメッセージを発していました。あの強風と豪雨が我那覇選手の置かれた情況を象徴している様で心に残りましたね。

椛沢:レッズの仁賀ドクターが活躍されていたとは知りませんで、誇りに思える出来事でしたね。新城さんご当人からのメッセージもお預かりしているので、以下にご紹介しておきます。
「2007年レッズがACL優勝に向けて戦っている時、レッズの仁賀ドクターはもう一つの戦いに奮闘していました。それは他チームの選手とドクターを冤罪から救い、全てのサッカー選手を助けるための戦いでした。長谷部選手も薦めて下さった『争うは本意ならねど』は我那覇選手の本であると同時に、仁賀ドクターの戦いの本でもあります。「僕のチームの選手でなくとも僕が治療したことと同じなんです」(本文より)」浦和のサポーターの皆さんには我那覇選手の真実を知ってもらうと同時に仁賀先生の真実を知って頂きたく、販売に伺いました。どうぞよろしくお願いします。

今週末は、宿敵・鹿島アントラーズとの一戦です。鹿島は開幕から4戦勝ち星なし、しかも得点もないということで苦しい状況で迎える一戦ですが、逆に浦和が相手となると必死に立ち向かってくるでしょうから、その気迫に負けずに敵地で勝利を奪えれば浦和にとっては大きな前進をすることになると思います。また浦和一体となって鹿島の地で久しぶりに勝ち点を奪い取ってきましょう。

争うは本意ならねど ドーピング冤罪を晴らした我那覇和樹と彼を支えた人々の美らゴール

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