浦和フットボール通信

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【This Week】週刊フットボールトークVol.86(5/4)

椛沢佑一(浦和フットボール通信編集長)× 豊田充穂 (コピーライター)

椛沢:GW連戦の初戦は、敵地で名古屋グランパスとの一戦でした。新しく出来た、新東名高速道路を使っての遠征でした。快適にドライブ出来る道、構造により、走りやすい道となっており、新しいサービスエリアも綺麗で、ご当地のグルメも楽しめる仕組みになっていました。従来のサービスエリアよりも値段設定が高いのは気になりましたが……。さて、2008年以来の瑞穂陸上競技場での試合となった名古屋戦には3000人以上のレッズサポーターがアウェイスタンドを埋めました。日差しが強く、30度近くまで上がった気温の中、13時にキックオフしました。急激な気温上昇により、厳しい環境での試合になるだろうと予想され、サポーターも頭を使ってメリハリを付けて闘おうと試合に挑みました。前半は、序盤から前がかりでプレッシャーをかけてくる名古屋に対して、しっかりとボールポゼションをして、幾度もカウンターを仕掛けてチャンスを伺う展開となりました。そして37分、マルシオが左サイドから中に切り込み、見事なシュートで先制しました。これで流れをつかめるかと思いましたが、ギアを上げてきた名古屋に対して、前線に上がってきた闘莉王を抑えきれず、名古屋得意のゴリ押しの形でのゴールを決められてしまい、前半を折り返しました。

豊田:TV観戦でしたが、今季アウェー戦の浦和ゴール裏は本来の落ち着きとパワーを取り戻しましたね。ネット上にもスタンドの光景を捉えた動画やカットがアップされていますが、赤いレプリカの面々の表情が良いな。膠着状態に陥ったベンチとイレブンに引き摺られてしまった昨季とはサポートを盛り上げていくリズムに格段の差があります。しかも開幕戦の広島よりもピッチ上やベンチとの呼吸も噛み合ってきた。前節のナクスタのダメージが大きかっただけに心配しましたが、1-1の競った展開から巧みにペースを持ち直してくれた功績は大きいと思います。

椛沢:この試合のレッズは終始落ち着いてゲームを運べていたように思いました。攻めこんでくる名古屋に対して、しっかりブロックを作って奪い、ボールポゼションをして、カウンターのチャンスがある時に仕留めにかかる。攻めこまれている時間も多かったですが、試合運びとしてはレッズは主導権を握っていた試合でした。PKで勝ち越しゴールを決め、名古屋の田中隼も退場になり数的優位にはなりましたが、闘莉王を最前線にあげて押し込みにかかった名古屋に攻め込まれる時間帯が最後は続きました。これもなんとか凌ぎ、敵地で見事、勝ち点3を奪いました。ダービーで痛い敗戦をした後の試合だっただけに連敗をせず、嫌な流れに引き込まれないという意味においても大きな勝利となりました。

豊田:ホームの名古屋は前がかりに来るので課題の「立ち上がり」が不安でしたが、GK加藤や啓太が積極的に鼓舞してスキのないムードを作り逆に先制点に結びつけた。終盤に浴びたパワープレーは脅威でしたが、チームとしての安定感があるせいか失点の予感は薄かったですね。闘莉王を軸にした力ワザの押し込みと、そのこぼれを繋いで来る玉田圭司。そのグランパスの攻めパターンを坪井や永田あたりは完全に読みきっていたと思う。東海エリアのアウェーは鬼門といわれているけれど(苦笑)、会心の勝点3と言えるのではないでしょうか。

椛沢:続く、木曜日に行われた横浜Fマリノス戦は、悪天候の中での試合でしたが、今季最高の入場者数44,422人が集まっての試合となりました。数多くのサポーターが集まった試合だけに結果を残せなかったが残念です。セットプレーからの2失点。しかも今季同じような形で失点を重ねているだけに、この部分はしっかりと精査をして同じ過ちをいい加減繰り返さないようにしなければ勝ち点を積み上げることは難しくなってしまいます。セットプレーの守備、ラインを引いた相手に対する攻略方法、この辺りは現状の課題になってくるのかと思います。

豊田:またもや靴とズボンをビショビショにして美園ロードを歩いて参戦したのですけど(苦笑)。アウェー戦の出来とはまるで逆。埼玉スタジアムのマリノスを相手にすると、どうしてこうも闘う姿勢を削がれてしまうのか……。守備の計算から戦術を立てる老舗チームだし、漫然と攻めれば術中に嵌ってしまう相性もイヤというほど体験してきているはずなのです。中村俊輔のボールキープの位置。この相手と相対する明白な分岐点なのに深いポジションで拾われまくり、そして散らされましたね。失点はいずれもセットプレーでしたが、流れとして完全に横浜主導のゲーム運びを許してしまった。若手の切り札・齋藤学がゴールを決め、初先発の熊谷アンドリューが好守備で自信をつけ、復帰したマルキーニョスが決勝点……マリノスにとっては出来すぎとも言える美味しい勝利でしょう。こういう敗戦は勝点や内容以前に高くつきますよ。

椛沢:横浜のお家芸のような試合をされてしまいました。ホームでの横浜戦は本当にどうにもこのような試合になってしまう。チームが変わっても選手が変わってもこの歴史をなかなか拭えない。これもフットボールの楽しさでしょうか。サポーターとしても、ハマったチームに対して打開する空気をもっと早めに作れれば良かったかなという思いはあります。アレ浦和の大合唱から空気を作って同点にして、横浜にトドメを刺す寸前まで追い込めただけに……。悔しい敗戦です。GW連戦の最後は、静岡スタジアムエコパでジュビロ磐田戦です。ここで勝利をして上位定着のための足がかりとしたいところです。

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