河合貴子のレッズ魂ここにあり!「気を抜かずにアジアを狙え」(11/14)
J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。
残り3試合、勝負ところでは思い切った采配が見たい!もう勝つしかないぞ!
優勝争いにわずかな望みを懸けて、挑んだ川崎戦。最後の笛が鳴った瞬間、選手達は膝を折り曲げ、その場にしゃがみ込んだ。首位の広島と残り3試合で勝ち点9差。得失点差を考えると、天文学的に優勝の可能性は消えた。何としてでも勝ちたい試合であった。
川崎戦を振り返ると、試合の入りは良かった。先制点は獲れた。ただ、レナト選手のFKはまさしく事故にあったようなものだった。逆転した川崎は、退いてブロックを作りカウンターを狙って来たが、浦和は落ち着いて、ボールポゼションしながらゲームをコントロールしてゴールを狙った。同点に追いつくチャンスも、逆転出来るチャンスもあった。ミシャ監督も試合後の記者会見で「試合が終わって、何故?今日、負けたか、理解出来ない。現実的に、今日、負けた」と開口一番に話したぐらい内容は悪くなかった。
しかし、私の中で川崎戦後から魚の小骨がずっと喉に刺さっている。いや、それは試合の後半中からであった。優勝戦線に踏み止まる為には、絶対に勝たなければいけない試合であった。川崎にリードを許した展開の中で、喉から手が出るぐらい得点が欲しかった。守備的な選手を削ってでも、フレッシュな攻撃的選手を入れて「絶対に点を獲って逆転勝ちする」メッセージを込めた選手交代をして欲しかった。ベンチには、点獲り屋の田中達也選手、ランコ選手、ポポ選手がいた。ポポ選手なら、レナト選手に負けない強烈なFKだって蹴る事が出来る。相手DFより背が高いランコ選手なら長身を生かす事が出来る。田中選手なら、得意なドリブルで仕掛けたり、DFの裏を突く相手が嫌がる事をしただろう。だが、ミシャ監督は選手交代枠を2枠残したまま試合を終えた。残された選手交代の2枠が、喉に刺さった魚の小骨だったのだ。
思わず試合後の記者会見で、残された2枠について質問を投げかけた。するとミシャ監督は「試合の中で、元気、マルシオ、陽介は非常に良いプレーを続けていた。誰かが入ってゴールを決めてくれると確信があれば代えますが、代えて良くなると言うよりは、良い流れできていたので、それを継続したと言う事です。それは、阿部にしても、啓太にしてもそうです」と答えた。試合の流れが悪くない中での選手交代は、ある意味、賭けなのかも知れないが、窮地に追い込まれた状況下においては、賭けに出ても良かったのではないだろうか?!だが、ミシャ監督は実直で、堅実な監督である。だから、流れを壊すかも知れない恐れを避け、良い流れのままで逆転勝利を考えたのだ。監督の采配とは、本当に難しいものである。私が監督だったら、間違いなく2枠の選手交代を使っていたと思う。「ゴールを決めてくれる確信はあるか?」と尋ねられたら・・・。「やってみなければ分からないが、可能性は0では無い」と答えるだろう。
残り3試合、名古屋と勝ち点が並び、5位の清水とは勝ち点1差、8位の柏とは勝ち点3差の状況だ。ここは、ACLの舞台に行くためには気が抜けない闘いが続く。「ここぞ!勝負だ!」と言う場面は必ずある。その時こそ、思い切った采配で、ACLの道を選手に託して欲しい。みんなで、また世界と闘うために・・・。